【おしごと拝見】僧侶 藤田紫雲さん(72) 美容師 重富智子さん(32)

西日本新聞

 こども記者が、僧侶と美容師の仕事に関心を持ち、素朴な疑問を新聞社に寄せました。それを基に取材しました。
 (首藤厚之)

【紙面PDF】おしごと拝見 僧侶 藤田紫雲さん 美容師 重富智子さん

 ●修行重ね、人の心の支えに 僧侶 藤田紫雲さん(72) 福岡市博多区

 木造座像で国内最大級の「福岡大仏」(高さ10・8メートル)がある大仏殿に読経が響く。取材の日、福岡市博多区の東長寺であった法要には100人以上が集まった。仏様の教えを説き、人々の幸せを祈った藤田紫雲住職(72)に話を聞いた。

 -生まれた家がお寺じゃないとお坊さんにはなれないの?(稲川記者)

 「私はこのお寺で生まれましたが、実家がお寺じゃなくてもお坊さんにはなれます。最近は社会人を経験した後、この道に入る人も少なくないですよ」

 藤田住職は10代の半ば、家業を継ぐ以外の道も考えた。しかし、「人の心の支えになる仕事がしたい」と思い、お坊さんになることを決心したそうだ。

 東長寺は真言宗という宗派のお寺。真言宗のお坊さんになるには、和歌山県の高野山にある養成施設で1年間、共同生活をしながら修行をして“資格”をもらうのが一般的。藤田住職も大学で仏教を学んだ後、養成施設に入った。

 -一番大変な修行は?(田口記者)

 「断食などつらい修行もありますが、最も大切なのは掃除です。修行は掃除に始まり、掃除に終わります。自分の心を洗うという意味もあります」

 東長寺では、毎朝5時半すぎから2時間近くお経を上げる。日中は年間約30の法要を執り行うほか、葬儀や法事で家々を回る。藤田住職は空き時間を見つけて境内を掃除するという。

 今はお寺を支える檀家が全国的に減って、廃業するお寺も少なくない。「これからのお坊さんはお寺の外に出て、いろんな人とふれあう中で、どうすれば人の支えになれるかを考えてほしいですね」

    ×      ×

 ●体力勝負の職人世界 美容師 重富智子さん(32) 福岡県新宮町

 この春、福岡県新宮町に開店した美容室「gite(ジーテ)」。美容師歴12年の重富智子さん(32)が愛用する3種類のはさみを使い分け、手際よく髪を切っていた。福岡市東区の系列店で腕を磨き、若手美容師7人をまとめるこの店のリーダーを任された。

 -センスってどうやって磨くの?(和田記者)

 「ファッション雑誌はたくさん読みますし、街に出てどんな服や髪形が人気なのかを観察することも多いですね。お客さんがイメージする髪形にする過程で、流行などを少しプラスできればいいなと思っています」。髪を切るときは、鏡越しにお客さんに笑顔で話し掛ける。コミュニケーションを取りながら、どんな髪形を求めているかを把握するという。

 -仕事で大切にするこだわりは?(和田記者)

 「私は中学生のとき、すごいくせ毛で、それがコンプレックスでした。だから髪で悩んでいる人の気持ちがよく分かる。希望する髪形に仕上げて自信を持ってもらう、というのがこだわりですね」。おしゃれが大好きで、髪形にも気を使っていた中学時代に美容師を志した。美容専門学校へ進み、美容師の国家試験に合格した。修業した東京の人気店では、常にはさみとノートを持ち歩いて、先輩の技術をまねしたり、お客さんごとに髪質などを書き留めたりして勉強を重ねた。

 美容師は立ち仕事が多く、特に忙しくなる土日は昼食を取れないときもある。これから目指す人には「体力勝負だし、職人の世界なので忍耐が必要」と教えてくれた。

【紙面PDF】おしごと拝見 僧侶 藤田紫雲さん 美容師 重富智子さん


=2016/06/25付 西日本新聞朝刊=

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