給食費、負担に地域差 九州の市町村、3割が補助制度

西日本新聞

 公立小中学校の給食費について2015年度、九州7県の全233市町村の約3割、64市町村が全額または一部を補助していることが西日本新聞のまとめで分かった。人口減対策で子育て環境を整えようと補助制度を導入する自治体は増加傾向にある一方、食材費高騰から値上げも相次いでおり、負担の二極化が進んでいる。保護者からは地域間格差の是正、一律無償化を求める声も出ている。

 九州の各県教育委員会によると、64市町村は生活保護や就学援助とは別に、すべての小中学生無料や、小1と中1が無料、第2子以降は半額などの補助制度を設けている。県別では鹿児島が21市町村と最も多く、熊本(15市町村)、福岡(14市町村)、宮崎(6町村)、佐賀(5市町)、長崎(3市町)と続いた。大分はゼロだった。

 制度導入の背景には、人口減少に対する自治体の危機感がある。民間提言機関による「消滅可能性都市」に含まれる佐賀県太良町。手厚い支援で子育て世代の流入と流出防止を図ろうと、15年度に全額無償に踏み切った。

 16年度も制度を新設、拡充する自治体は増え、福岡県古賀市は第3子以降を無償化(これまでは半額)。熊本県人吉市も全ての児童生徒に対する月額千円の補助を始め「最終的には全額補助が目標」(担当者)という。宮崎県小林市は、ふるさと納税を財源に半額補助に乗り出している。

 一方、給食費は近年の消費税増税や食材費の上昇を受けて値上がり傾向にある。文部科学省の調査によると、14年度の平均月額給食費は小学校4266円、中学校4882円。5年前に比べてそれぞれ153円、200円上がった。

 福岡市は15年度、小学校で300円増の月額4200円、中学校は400円増の同5千円に値上げした。中1と小4の母親(40)=福岡市西区=は「わずかな値上げでも毎月必要な給食費は負担感が大きい。地域によって異なるのは不公平でおかしい」と疑問の声を上げる。

 一律無償化について、文科省健康教育・食育課は「財源や給食を実施していない自治体との公平性を考える必要がある」との姿勢。名古屋大大学院の中嶋哲彦教授(教育行政学)は「給食は食育にも活用されており、教材でもある。無償とする義務教育の範囲に給食を入れるべきだ」と指摘している。

 【ワードBOX】学校給食

 公立小中学校では、学校給食法に基づき学校を設置する各自治体などが実施。食材費は保護者負担、給食にかかる施設整備や人件費は自治体の負担と定めている。文部科学省によると、公立の小学校の99.7%、中学校の93.7%で実施(2014年度)。また、同省の12年度の抽出調査では、児童生徒の0.9%が給食費を納めておらず、その理由の6割は「保護者の責任感や規範意識の問題」、3割が「保護者の経済的な問題」などとなっている。政府の経済財政諮問会議の民間議員は4月の同会議で、給食費の免除制度を充実させるよう政府に提言している。


=2016/06/27付 西日本新聞朝刊=

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