首相、複数区で公明応援 「どっちの味方」地元自民県連恨み節

西日本新聞

 安倍晋三首相(自民党総裁)は今週に入り、参院選選挙区の公明党候補の応援に力を入れている。27、28日は当落線上とみられる候補への投票を呼び掛け、連立与党の結束をアピールした。首相が回った選挙区は自民と公明の候補が競合しており、地元の自民関係者は「どっちの味方なのか」と不満を漏らす。

 「自民党が自信を持って推薦した。参院で私が最も頼りにしている」

 首相は28日、さいたま市の街頭で演説し、隣に並んだ公明現職を持ち上げた。埼玉選挙区(改選数3)は公明の苦戦が伝えられる。首相は18分の演説の最後に「投票用紙に書いてください」と候補者の手を上げ、名前を15回連呼した。

 27日は兵庫選挙区(3)と神奈川選挙区(4)で、公明の新人と演説。自公の実績を強調するとともに、「民進党、共産党にはまとまった政策がない」と野党を批判した。

 政府関係者は「首相が2日も割いて他党を応援するのはかなり異例」と話す。自民は参院選の勝敗の鍵を握る32の1人区の大半で、公明党本部の推薦を受けた。公明は見返りに埼玉、福岡など改選数3以上の5選挙区で自民推薦を得た。

 公明に対する首相の「直接支援」は、相互協力を強化する狙いがある。参院で憲法改正発議に必要な3分の2の議席を獲得するためでもある。

 首相は神奈川で、公明新人の応援演説をした後に自民現職の集会に出席した。首相周辺は「自民が勝てる選挙区なので、首相が公明を応援しても大丈夫」としているが、自民県連は釈然としない。公明と争う選挙区では「自民だけを応援しないなら来なくていい」という声もある。

 野党4党は1人区で統一候補を立て、自公に対抗する。共産の志位和夫委員長は27日、「首相は野党共闘が怖くて仕方がない。日本国中で(野党の)悪口ばかり言っている」と批判した。

=2016/06/30付 西日本新聞朝刊=

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