改憲勢力3分の2強まる 参院選情勢

西日本新聞

 共同通信社は第24回参院選について3〜5日、全国電話世論調査を行い、取材も加味し終盤情勢を探った。安倍晋三首相が目指す憲法改正に賛同する自民、公明両党、おおさか維新の会などの「改憲勢力」は、非改選と合わせ改憲発議に必要な全議席の3分の2(162)に届く見通しが強まった。自民は60議席前後で、27年ぶりに参院単独過半数となる勢い。民進、共産両党など野党4党が32の改選1人区で共闘し一本化した候補は全体として伸び悩んでいる。

 ■福岡

 西日本新聞社は3日から5日にかけて参院選の電話世論調査を実施し、取材を加味して九州7選挙区(改選数計9)の情勢を分析した。自民党と野党統一候補による与野党激突の構図となった1人区は、自民が佐賀、熊本、宮崎で大きくリードし、長崎、鹿児島でも広く浸透している。民進党は大分で自民と激しく競り合っている。改選数3を9人で争う福岡は自民が先行。民進も抜け出し、3番手争いは公明党が優位を保っている。ただ、各選挙区で回答者の2〜4割は投票する候補を決めておらず、情勢は変わる可能性がある。

 福岡は自民現職の大家敏志氏が、地域や年代を問わず幅広く支持を広げて先行している。民進新人の古賀之士(ゆきひと)氏も安定した戦いぶりで、公明新人の高瀬弘美氏がこれに続く。

 大家氏は自民支持層の7割近くを固め、無党派層からも最も多くの支持を得ている。古賀氏は民進支持層に加え、社民支持層にも食い込みを見せる。

 注目の3議席目争いは公明支持層の6割強を固めた高瀬氏を、共産新人の柴田雅子氏が激しく追い上げる構図。社民新人の竹内信昭氏やおおさか維新新人の森上晋平氏らは、思うように支持が広がっていない。

 ■佐賀

 自民現職の福岡資麿氏が幅広く浸透して大きくリードしている。民進元職の中村哲治氏は懸命に追っている。福岡氏は自民と公明の支持層をまとめつつあり、無党派層の支持も3割に迫る。全年代で最も高い支持を得ている。中村氏は民進支持層の8割以上、推薦を受ける社民支持層の8割近くを固めている。ただ、市民団体を挟んで共闘する共産の支持層は福岡氏と伯仲、まとめきれていない。

 ■長崎

 自民現職の金子原二郎氏が先行し、民進新人の西岡秀子氏が懸命に追う。金子氏は自民支持層や推薦を受ける公明支持層を手堅くまとめ、年代別でもほぼ全ての層でリードしている。無党派層からの支持も西岡氏を上回る。西岡氏は民進支持層の8割近くをまとめているものの、共闘する共産と社民の支持層を十分に固めきれていない。憲法改正反対派の支持も4割台にとどまっている。

 ■熊本

 熊本は、自民現職の松村祥史氏が全ての年齢層、職業に幅広く浸透し、野党統一候補で無所属新人の阿部広美氏を大きく引き離している。松村氏は自民、公明の支持層だけでなく野党支持層にも食い込み、民進の3割、社民の5割弱、おおさか維新の5割などから支持を受ける。阿部氏は共産支持層の6割を固めるが、民進、社民支持層からの支持はいずれも半数に届いていない。

 ■大分

 大分は、民進現職の足立信也氏と自民新人の古庄玄知氏が激しく競り合う。野党共闘した足立氏は民進の8割超と社民の9割超を固め、共産も4割に浸透。無党派層にも支持を広げ、憲法改正に反対と答えた人では6割強が支持している。古庄氏は自民支持層の8割近く、公明支持層の7割をまとめた。農林漁業者の6割以上を押さえ、20代と70歳以上の支持は4割を超え、足立氏をしのいでいる。

 ■宮崎

 宮崎は、自民現職の松下新平氏が他候補を大きく引き離す勢い。自民支持層と、推薦を受ける公明支持層の7割を固め、職業別や年代別でも幅広く支持を広げている。野党統一候補で無所属新人の読谷山洋司氏は、民進支持層の8割弱、社民支持層の7割弱を固めるが、共産支持層への浸透は5割程度にとどまっている。無党派層や、20代などの若い世代への支持拡大も進んでいない。

 ■鹿児島

 鹿児島は、自民現職の野村哲郎氏が抜け出し、野党統一候補で無所属新人の下町和三氏らが懸命に追い上げている。野村氏は自民支持層の7割弱を固め、公明支持層も8割近くに浸透。特に郡部で先行する。下町氏は民進支持層の7割、社民支持層の8割強を確保する一方で、共産支持層は5割弱の支持にとどまる。無党派層は6割近くが態度未定、両氏の支持はともに2割弱で差はない。

   ◇   ◇

 ◆比例も自民浸透 九州

 電話世論調査によると、九州の比例代表の情勢は自民党が幅広く浸透。民進党、公明党、共産党、おおさか維新の会、社民党と続く。生活の党、日本のこころを大切にする党など他の政党・政治団体は伸び悩んでいる。「支持する政党がない」と回答した無党派層の投票先は自民がトップで、民進、公明と続いた。ただ、投票先を「まだ決めていない」とする回答がなお全体の4割を占めている。

=2016/07/06付 西日本新聞朝刊=

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