小学生の便秘 2割 保護者の3割認識せず NPO調査

西日本新聞

 小学生の5人に1人が便秘で、健康上の影響が懸念されることが、NPO法人日本トイレ研究所(東京)の調査で明らかになった。調査結果を受け、同研究所は9月から、小学校2校で便秘解消の取り組みを実施する。

 調査は「排便と生活習慣に関する調査」として3月、小学生の保護者4833人を対象にインターネットで実施した。結果は6月に発表した。

 質問は、(1)排便回数や便の状態(2)学校での排便状況(3)食と生活習慣‐の3分野で計16項目。(1)では、排便が3日に1回以下、排便時の痛みなど、便秘の国際的な診断基準「ROME(ローム)3」=図=を活用し、その結果、成人女性並みの20・2%が便秘と分かった。さらに便秘の子どもの保護者のうち32%は、子どもが便秘であることを認識していなかった。

 (2)では、49・7%が「学校で排便しない」と答え、「便を我慢することがある」が52・8%だった。その理由(複数回答)は、「排便を友達に知られたくない」(55・9%)「からかわれる」(36・4%)など人目を気にする傾向が目立った。「和式便器が嫌だ」(32・7%)「トイレが臭い」(28・2%)など環境にも課題がみられた。

 (3)では、便秘状態にある子どもは、そうでない子どもに比べて睡眠時間が短く、朝食を毎朝食べていないことも明らかになった。

 これらの結果を受け、同研究所では、「腸内環境」「排便意識」「トイレ空間」の改善を3本柱に、プロジェクトを企画。食品メーカーのカゴメ(名古屋市)と連携し、東京都世田谷区と福島市の小学校2校で、乳酸菌飲料を3週間飲んで効果を確認する。2校では、排便の大切さを教える講座や、和式便器を洋式化するなどの改修も行う。また、体をひねるなど、腸に刺激を与える動きを取り入れた体操も考案中という。これらの結果は、11月10日の「トイレの日」に発表する。

 ●食欲低下や肥満の一因に 九大病院・宮田医師 夏休みに改善を

 便秘の子どもの診察をしている九州大学病院(福岡市)の小児外科・小児漢方外来の宮田潤子医師に、アンケート結果を受け、見解を聞いた。

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 最も気になったのは、約3割の保護者が子どもの便秘を認識していないこと。小学校に入ると生活環境が大きく変わるうえ、保護者や先生が子どもの排便に配慮しなくなる。保護者がもっと子どもの体に注意を向けてほしい。

 便秘が続くとおなかが張り、食欲が低下して食事を十分取れなくなる。腸内細菌のバランスが悪化し、アレルギーや肥満の原因になるほか、糖尿病や動脈硬化などとの関連があるとも指摘されている。

 和式便器を嫌がる子どもが多いが、しゃがむ姿勢を取ると直腸から肛門までの角度が真っすぐになり、むしろ便が出やすくなる。

 睡眠は大切。十分体を休ませることで交感神経と副交感神経のバランスが整い、腸の正常な動きにもつながる。

 夏休みは、排便を見直す良い機会だ。子どもが自分の排便状況を知るため、排便回数や便の状態を記録することを勧める。便秘の子どもは専門医を受診してほしい。下剤も、夏休み中であれば試しやすいのではないか。


=2016/07/09付 西日本新聞朝刊=

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