足立氏、薄氷の勝利 「暴走阻止」訴え奏功

西日本新聞

 参院選は10日投開票され、大分選挙区(改選数1)では民進党現職の足立信也氏(59)が、自民党新人の古庄玄知氏(58)=公明党推薦=と政治団体「幸福実現党」新人の上田敦子氏(49)を破り、3選を果たした。足立氏は2期12年の実績や「安倍晋三政権の暴走阻止」を訴え、九州の1人区で唯一となる民進党の議席を守った。古庄氏には安倍首相をはじめ、党幹部が続々と来援。挙党態勢の支援を後ろ盾に全国屈指の激戦区を戦ったが、一歩及ばなかった。投票率は前回の2013年より5・23ポイント高い58・38%だった。

 高揚感より安堵(あんど)感が勝った。当選確実の報を受けた足立氏は大分市のホテルで支援者に何度も頭を下げた。「全ての方に申し上げたい。おめでとうございます」

 全国注目の激戦だった。昨年9月に公募で公認となった古庄氏は地元選出の国会議員と県内をくまなく回り浸透。対照的に足立氏が本格的に活動を開始したのは国会閉会後の6月初旬と出遅れた。公示前から安倍首相を筆頭に党幹部らが次々と応援に駆け付ける「自民の総力戦」を横目に、「(安倍政権の)暴走を止める夏にしよう」と訴えた。

 全国的な「野党共闘」の流れもあり、初めて共産党の支援を受けた。支持労組の一部に異論もあったが「多少ウイングを広げる」と理解を求め、約5万人の連合大分から「総行動」の支援を引き出した。大分社民の支持母体で全国比例に組織内候補を抱えた自治労県本部からも初めて推薦を得るなど、労組の組織戦で終盤、ひっくり返した。

 九州の1人区で唯一の党議席を守り抜いた足立氏。党勢回復がままならない中、安倍自民党の1強体制にどう立ち向かうか。「私たちが目指す社会をつくるためにまい進する」。日焼けした顔が引き締まった。

=2016/07/11付 西日本新聞朝刊=

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