圧勝の陰に地方の窮状 宮崎選挙区・松下氏3選

西日本新聞

 宮崎選挙区は、自民現職の松下新平氏(49)が民進と共産、社民各党の統一候補の得票を全市町村で上回り、保守地盤の厚さを見せつけた。ただ、松下氏と自民が必ずしも手放しで信任されたわけではない。過疎や高齢化、環太平洋連携協定(TPP)の問題に直面し、政権とのパイプに活路を求める宮崎の窮状が投票行動に表れたとみられる。

 松下氏は前哨戦から自民関係者に後援会組織の弱さを指摘されていた。県内最大の政治団体・県農民連盟も推薦はしたが、複数支部は自主投票を申し出た。大筋合意したTPPや農協改革を進めた自民への反発が要因だった。

 県の2014年の名目賃金は全国45位。高齢化率は30%に迫り過疎化も進む。農家の男性(54)は「自民には腹が立つ。でも与党に入れないと宮崎はもっと廃れてしまう」と話す。多くの有権者から聞いた言葉だ。

 対する無所属新人の読谷山洋司氏(52)は野党3党のほか、安倍晋三政権に危機感を持つ市民と連携する戦術を取った。主婦など初めて国政選挙に関わる層と連動した。落選こそしたが、無党派層への働き掛けは一定の成果を残した。

 与野党の論戦は改憲論議が待つ臨時国会へと移る。かつて村山富市元首相は取材に「巨大政権に対抗できるのは大衆の声だ」と語った。有権者は政治に声を上げつつある。松下氏と自民は得票を真の支持に変えるためにも謙虚に耳を傾け、丁寧な政権運営に努める必要がある。

=2016/07/12付 西日本新聞朝刊=

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