「がばい旋風」魂 伝える 元エースの久保さん教諭に 佐賀北高

西日本新聞

 「がばい旋風」の立役者が母校に戻ってきた-。2007年夏の甲子園大会で全国制覇した佐賀北高の元エース、久保貴大さん(26)が4月から同高の保健体育教諭となり、野球部副部長を務めている。「奇跡の逆転劇」で名を残す「公立校の星」は「強い気持ちがあれば、できないことはない」と語り掛けている。

 07年夏、佐賀北ナインは全国4081校の頂点に立った。スポーツ特待制度のない無名の進学校。練習グラウンドはサッカー部と共用で、選手は県出身の「普通の高校生」。久保さんも武雄市から通っていた。

 甲子園2回戦で宇治山田商(三重)との延長十五回引き分け再試合を制し、準々決勝では帝京(東東京)に延長サヨナラ勝ち。決勝は広陵(広島)に八回裏、奇跡の逆転満塁本塁打。広陵のエースだったプロ野球・広島カープの野村祐輔投手に「今も夏には思い出す」と言わしめる球史に残る一戦となった。

 久保さんは高校卒業後、筑波大に進学して教員免許を取得。社会人野球のジェイプロジェクト(名古屋市)に2年間在籍した後、「佐賀の教壇に立ちたい」と14年に帰郷。佐賀大大学院でバイオメカニクス(生体力学)を学ぶ傍ら、佐賀大付属中で軟式野球を指導してきた。

 昨年、教職員試験に合格し、今春採用された。佐賀北野球部の恩師、百崎敏克監督からは「一緒に頑張ろう」と励まされたという。

 教諭になって1カ月。今はまだ「授業や部活の指導でいっぱい、いっぱい。余裕がない」と頭をかくが、野球部2年の高垣勇希投手(17)は「フォームを細かく見てくれて勉強になる。先生は自分の目標」と言い切る。

 「諦めない」「全員ができることをやろう」。決勝の広陵戦。0-4からの逆転劇の口火を切ったのは久保さんの安打だった。あの夏に学んだことを授業や部活動を通して後輩たちに伝えていくつもりだ。

=2016/05/07付 西日本新聞朝刊=

PR

社会 アクセスランキング

PR

注目のテーマ