性暴力の実相・第4部(1)信じた教師が… 立場弱く拒絶できず (3ページ目)

西日本新聞

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 ヨウコは今、30代になった。「『おまえも興味あるだろう』って、被害者意識を持たせないように上手にやられたと思う」と当時を振り返る。先生と生徒という関係の中で、正常な判断ができなかったのかもしれない。「泣きながら無理やりされたわけじゃないから、先生が100パーセント悪いと思えなかった」。結局、被害は公にならなかった。

 「幼少時から教師の言うことを聞くように刷り込まれた子どもたちは簡単に拒絶できない」。そう指摘するのは、教師による子どもへの性被害に詳しい中京大法科大学院の柳本祐加子教授(子どもの権利論)。「力関係を背景に、成長段階で芽生える自然な性への関心を利用されるケースも目立つ」と話す。

 男性教諭は勤務を続け、管理職に就いている。西日本新聞の取材に対しその行為を認め、「申し訳ない」と話した。

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 「性暴力の実相」第4部では、学校現場での被害の実態を追い、対策を考える。


 ■教師による性暴力の影響

 学校での性暴力に詳しい大妻女子大人間生活文化研究所の徳永恭子研究員によると、教師からの性被害は児童生徒の心身を深く傷つけるだけでなく、大人への不信感を植え付ける。学校に対する安全意識が崩れて不登校になる場合も多い。「子どもたちはよく理解できないまま自分を責め、混乱の中で被害が長期化する傾向にある」という。2011年に東京都の教職員277人に行った調査では、「教え子とメールや携帯で性的な話題をすることはセクハラ」と回答したのは7割にとどまった。

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=2016/07/18付 西日本新聞朝刊=

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