先行自治体、知恵絞る 子どもの貧困実態調査

 貧困にあえぐ親や子どもを孤立させず、地域の実情や需要に応じたきめ細かな対策を講じるには、子どもの貧困の実態調査が欠かせない。九州では取り組みが進んでいるとは言い難い実態が明らかになったが、先行する自治体では、県外の先進事例に学んだり、教員や地域住民に必要な支援についてヒアリングしたり、調査の対象や項目に知恵を絞っている。

 孤食の有無や生活習慣も質問

 福岡市は7月、市内の小学6年と中学3年の子を持つ約2万6千世帯全てを対象にアンケートを実施し、調査票を回収した。「生活や住居など幅広く子どもの実態を調査し、年度末までに分析して施策に反映させる」(こども未来局)という。北九州市は「孤食の有無」「歯磨きの頻度」「病気になったときに病院にかかっているか」「子どもの進学への期待度」などの質問を想定。貧困世帯と、そうではない世帯の回答を比較することで、支援が行き届いていない分野をチェックする狙いもある。

 長崎県大村市は市の単独予算で調査を予定。貧困対策の先進自治体である東京都足立区に調査票を提供してもらい、小学5年と中学2年の児童・生徒約2200人の保護者に「朝食を食べているか」「お菓子がご飯になっていないか」など家庭状況を調査する。宮崎県えびの市は、子育て世帯だけではなく、教員や保育士、民生委員らにもどんな支援が必要か調査する。

 一方で、匿名のアンケートとはいえ、プライバシーの保護に懸念を示す声もある。福岡市の場合、両親の最終学歴や世帯の年収、経済的理由で支払えなかったものや家にない家財道具を答える欄があり、各学級で回収した。市内の40代の主婦は「正直、気持ちよく答えられる内容ではなかった。郵送ならまだいいが、子どもが落としたり、中を見たりするのではと不安があった」と打ち明ける。

 情報管理の徹底はもちろん、調査自体を目的化させず、実効性を伴う政策に反映させる取り組みが求められている。


=2016/07/31付 西日本新聞朝刊=

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