『戦争とおはぎとグリンピース 婦人の新聞投稿欄「紅皿」集』  西日本新聞社 編  (1512円)

西日本新聞

 戦中戦後、女性たちは何を見たのか-。太平洋戦争から9年後の1954年、西日本新聞で始まった女性投稿欄「紅皿」。開始10年間に寄せられた3千を超える投稿の中から、「空襲」や「出征」「慰問袋」といった戦争に関わる言葉が載った42編を収録している。市井の日常を伝える貴重な証言集だ。

 帰国船が着く度に、息子の好物だった「おはぎ」を胸に駆けつけた母親の思い(息子は特攻隊員を志願して戦死していた)。女手一つで銃後を切り盛りした思い出が詰まった「ミシン」への愛着。投稿には理不尽な現実に向き合いながらも、負けずに前を向く女性たちの姿が描かれている。

 戦後71年。全ての投稿にコメントを寄せた児童文学作家の村中李衣さんは「時代に翻弄(ほんろう)されながらも、幸福に向かうためのやりくりをあきらめない女性の賢さを見る思いがします」と話している。


=2016/08/07付 西日本新聞朝刊=

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