部活動(3)やりがい 4年後どうなっているか (2ページ目)

西日本新聞

 生徒の自主性尊重を

 今回の部活動見直し論議を、専門家はどう見ているのか。スポーツ社会学が専門の中澤篤史・早稲田大大学院准教授に聞いた。

   ◇   ◇

 部活動は歴史を重ねる中で肥大化してきた。日本中の学校で多くの生徒が参加し、大会も盛んで、教師が顧問として支えている。学校教育と部活動、スポーツがこれほど強くつながっているのは世界でも日本だけだ。

 かつては生徒が楽しみ、自主性を育む緩やかな活動だった。だが、校内暴力が深刻化した1980年代、教師たちは授業だけでは生徒指導がうまくいかず、生徒管理や非行防止の手段として部活動を活用し始めた。

 教師はしんどいと感じながらも「教育上、部活動は大事だ」とし、生徒指導の手段としても手放せず、ジレンマの中で「やり過ぎ」「長時間労働」という課題に直面している。

 文部科学省の「行き過ぎた活動は弊害を生む」「時間短縮や教員の働き方見直しが必要」という考えには賛成だ。

 文科省はこれまでも休養日の設定を促すなど指針を示してきたが、現場には浸透しなかった。部活動は教育課程外の生徒の自主的な活動という位置付けで、国が基準(ガイドライン)を示すだけではうまくいかない。

 生徒の自主性に基づくという部活動の理念を大事にすれば、その具体的なあり方を考えるのはそれぞれの学校現場であるはずだ。教師の負担の問題も含め、職員会議で議論してもいいし、生徒は自分たちの考えを伝え、工夫していくことが必要だ。

 部活動の出発点は生徒の楽しみたいという気持ちだ。その気持ちを原動力に生徒自身が試行錯誤したり、仲間と協力したりする。それを教師が後方から支える。部活動を生徒が「楽しむ力」を育める場にしてほしい。(談)

 

=2016/08/21付 西日本新聞朝刊=

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