命 語り合おう あすまで自殺予防週間 福岡市でフォーラム

西日本新聞

 ●専門家同士が手を携えて 電話相談は行動の契機に 遺族の出会う場所が必要 
 10~16日は自殺予防週間。自殺に対する誤解や偏見をなくし、命の大切さ、危険に気付いたときの対応などへの理解を深める活動が各地で展開されている。7日、福岡市であったフォーラム「身近な自殺問題~大切な人を自死でなくすということ」では、弁護士や相談機関メンバー、遺族が、それぞれの立場から自殺者やその家族への理解と必要な支援を語り合った。

 警察庁などによると、全国の自殺者数は2015年が2万4025人と6年連続減少。ただ、九州では10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率が宮崎24・5▽熊本20・9▽鹿児島20・1-など、全国平均(18・9)を上回っている。また、日本財団が8月上旬、20歳以上の男女約4万人に実施した調査では、4人に1人が「本気で自殺したいと考えたことがある」と回答した。

 フォーラムでは、自死遺族の法律相談を続けている福岡県弁護士会の椛島敏雅弁護士が「(自殺のリスクが高まる)うつ状態になる原因として、多重債務やブラック企業での勤務、いじめなどがある。こうした問題は法律の専門家が関われば解決できることがある」と主張。「命の侵害は最大の人権侵害だが、それを自ら絶つ背景にはいろいろな社会要因がある。最大の人権侵害をなくすため、各分野の専門職と連携したい」と呼び掛けた。

 毎日24時間、電話相談に応じる「福岡いのちの電話」の松尾公孝さんは「大きなショックを受けて行動を起こすエネルギーがない人もいる。どこでもいつでも掛けられる電話は、どこかに行ってみようと思うきっかけになる」と、電話相談の意義を訴えた。

 自死遺族が出会い、語り合う場を設けている「リメンバー福岡 自死遺族の集い」のメンバーは、家族を自殺で亡くした後の状況について、(1)自死の動機を探す重荷、悲しみを話せない孤立感などの心理的な問題(2)住居や仕事を失うなどの経済的な問題(3)自死をタブー視する社会の偏見に傷つく社会的な問題-があると指摘。「想像が現実を超えることはない。皆さんが想像しているよりも状況は厳しい」と語った。

 ▼メモ 福岡県弁護士会自死遺族法律相談=092(738)0073(第1水曜午後1~4時)▽リメンバー福岡 自死遺族の集い=奇数月第4日曜午後1~4時、福岡市中央区舞鶴のあいれふで開催。問い合わせは同市精神保健福祉センター=092(737)1275。


=2016/09/15付 西日本新聞朝刊=

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