おたふくかぜ 仕組み解明 九大院などの研究グループ 治療薬開発に期待

西日本新聞

 九州大大学院医学研究院などの研究グループは27日、子どもを中心に感染者が出ている流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の原因となるムンプスウイルスの感染メカニズムを解明したと発表した。現在使われているワクチンの改良や、抗ウイルス治療薬の開発につながる成果という。

 おたふくかぜは国内で毎年40万~130万人がかかると推定され、髄膜炎や難聴、精巣炎などさまざまな合併症を引き起こすが、治療薬はなく、解熱鎮痛剤などの対症療法しかない。ワクチンは任意接種となっているため接種率が20%以下と低く、4~5年に1度の頻度で流行を繰り返している。

 感染は、ムンプスウイルス表面の糖タンパク質が、ヒトの体細胞表面にある「受容体」と呼ばれる部分に結合することで起こる。研究グループは、エックス線などを使った解析で、受容体が3種類の糖からなることを突き止めた。この結果を基に現在、治療薬開発に向けて結合を阻害する物質の研究を進めている。

 またワクチン接種者や、一度感染した人が感染する原因の一端も解明。ウイルスには12の遺伝子型があるが、すべての遺伝子型に作用する部分に抗体が結合しにくく、体に侵入するウイルスの遺伝子型によっては感染を完全には防げないことが分かったという。

 九大大学院の橋口隆生准教授(ウイルス学)は「今回の成果を製薬や理工系など幅広い分野の研究者に活用してもらい、効果が高いワクチンへの改良や、創薬につなげてほしい」と話している。


=2016/09/28付 西日本新聞朝刊=

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