ミトコンドリア病 早期診断方法開発 久留米大など 2018年度にも実用化

西日本新聞

 久留米大と東京都健康長寿医療センターの研究グループは20日、国指定の難病「ミトコンドリア病」を早期に特定できる診断方法を開発したと発表した。従来より20ポイント高い98%の精度で、体外診断薬については早ければ年度内に承認申請し、2018年度中の実用化を目指す。

 ミトコンドリア病は、細胞のエネルギーを作り出す小器官「ミトコンドリア」が遺伝子の変異などで機能が阻害されて起こる病気。症状は全身の筋力低下のほか、認知症、糖尿病、心筋症などになり、死に至ることもある。患者は国内に約2千人、世界で約50万人と推定されている。

 従来の診断法は、精度の問題のほか、限られた医療機関でしか実施されず、検体を研究機関などに送って解析を依頼する必要があるなど、確定診断まで時間も費用もかかる傾向にあった。研究グループは、ミトコンドリア病患者の血中で、タンパク質「GDF15」の数値が上昇している点に注目。細胞モデルでの実験や患者約60人の血液を調べ、GDF15が客観的な診断指標となることを突き止めた。

 研究成果を活用し、検査薬メーカー、医学生物学研究所(名古屋市)の協力を得て診断薬を開発。一般病院に普及している検査機器でも診断でき、10~20分ほどで結果が分かる。論文は20日、英医学誌(電子版)に掲載された。

 研究グループの古賀靖敏久留米大教授は「臨床現場では簡易な診断法が熱望され、海外からも問い合わせがあった。患者の掘り起こし、早期治療につなげたい」と話している。


=2016/10/21付 西日本新聞朝刊=

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