時間割(4)記者ノート オランダに目を向けると

 海外の学校の時間割はどうなっているのだろう。国連児童基金(ユニセフ)の2013年調査で、子どもの「幸福度」が先進国29カ国中トップだったオランダで長年暮らす教育・社会事情研究家、リヒテルズ直子さん(61)に聞いた。

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 1960年代に「画一教育」から「個別教育」にかじを切ったオランダには、決められた年間授業時間数はなく、細かい時間割もないという。記者の長男と同じオランダの小学3年生の一般的な一日は、別表の通り。日本とは違い、かなり大まかで、ざっくりしている。

 というのも、オランダを含め欧米の国の大半は教科書を子どもごとに支給していない。ほかの教材も含め、国の予算で学校が購入し、学校の備品にしている。子どもが教科書を準備する必要はなく、持参するのは弁当とスナックだけだからだ。

 各学校の教育スタイルも多様だ。一定期間は一つの科目だけを掘り下げて教える「シュタイナー教育」▽自立学習をベースに子ども自身が各教科の時間配分をする「ダルトン教育」▽時間割を教科別に分けず、対話、仕事(学習)、遊び、催しの4種類の活動を交互に実践する「イエナプラン教育」-などがある。その日の子どもたちの状況に応じ、時限の区切り方を柔軟に変える学校もある。

 別表のように、多くの学校は「自立学習」という2時限続きの時間を導入している。子どもは自分のテンポで課題に取り組み、補助教員や保護者が個別に指導している。機械的に教科を当てはめていく時間割は、全体の5~6割にとどまるのではないかという。

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 スコットランドでは12年から国の学習指導要領から教科が消え、フィンランドでは教科ベースの授業から総合学習ベースの授業への転換が進んでいる。ヨーロッパの学校変革の流れに沿った動きで、教科ベースの時間割による授業はますます減っていく方向にあるそうだ。

 直子さんは「日本も、時間割をどうするのかという議論から、『子どもに身につけさせなければならない力は何か』という根本的な議論をやり直し、授業を再構築していく時期が来ているのではないか」と話す。

 イエナプラン教育 産業化に伴い人々の関係が希薄となる中、学校を「社会的な共同体を再編する場」と捉えた教育。通常は3学年(小学1~3年、4~6年)の子ども25~30人程度で1学級を編成。学級では異学年の5~6人のグループに分かれ、自らの課題に取り組みつつ、学び合い、教え合う。

=2016/10/23付 西日本新聞朝刊=

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