子ども食堂 最前線(2)理想の場へカフェ協力

西日本新聞

 子ども食堂の開設で最初の「壁」となるのが場所。台所や調理道具がそろった公民館が理想的とされるが、行政や地域の区長からの許可が得られないケースも多い。

 福岡県糸島市で6月に開設した「itoshima こども基地」。代表の松雪浩樹さん(37)は障害者就労施設の職員。昨年11月、九州で子ども食堂の取り組みが始まっていることを新聞記事で知り、「自分にも何かできるはずだ」と開設を目指した。

 近くの公民館に利用を打診したが、関係者からは「自分の一存では決められない」と言われた。いきなり壁にぶち当たっていたところ、同市のコミュニティーカフェ「ことこと」副代表で、以前から知り合いだった小柳麻紀さん(40)が「うちを使いませんか」と名乗り出た。

 ことことは地域の住民が集まる「たまり場」で、食事も楽しめる。昨年4月にオープンしたが、地域への浸透を図る狙いもあり、「地域の絆を強める子ども食堂とカフェの理念が重なった」と小柳さん。

 松雪さんは地域の農家や養豚場にも掛け合い、食材のめども付いた。施設職員やことことのスタッフがボランティアとなり、6月から毎月第2日曜日に100円で昼食を提供。利用者は多い日で小学生を中心に約80人に上る。

 ことことには業務用の調理道具や広めのキッチンのほか、子ども用のキッズスペースもある。子どもたちは食事を取った後、このスペースで遊んだり、漫画を読んだりしてくつろぐ。

 「さまざまな人の支えで運営が成り立っており、何より場所に恵まれた」と松雪さん。小柳さんも「子どもたちを分け隔てなく受け入れる居場所を二人三脚でつくっていきたい」と力を込めた。

=2016/11/18付 西日本新聞朝刊=

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