勤労感謝の日 働くすがた かっこいい こども記者、思いをつづる<上>
きょうは勤労感謝の日。働く喜びを分かち合ったり、働いている人々に感謝を表す日です。毎日汗を流して働く大人の姿に、子どもたちはいろいろなことを感じています。おじいちゃんへ、お世話になっている方々へ、いつもは伝えられない気持ちをつづりました。2回に分けて紹介します。
【紙面PDF 】勤労感謝の日 働くすがた かっこいい こども記者、思いをつづる<上>
●80歳、司法書士の大パパ 私の自まん、元気でね
▼福岡県飯塚市・片島小4年 斎藤愛記者
私は、おじいちゃんのことを「大パパ」とよんでいる。大パパは、いつも本をたくさん買ってくれる。80歳になった今でも司法書士として、仕事をバリバリがんばっている。
大パパは、15歳で働き始め、定時制高校に行きながら仕事をおぼえた。23歳で司法書士になり、29歳で司法書士事務所を開いた。
主な仕事内容は、不動産登記・商業登記や訴訟関係書類の作成、多重さいむ整理などだ。私は、今までくわしく仕事内容を聞いたことがなかったので、すごく難しそうな仕事ばっかりで、びっくりした。
司法書士になって良かったことは?と聞くと、困った人を救済できることやお客さまから喜ばれることだそうだ。
反対につらかった仕事は、時間がなくて、てつ夜しながら書類を完ぺきに仕上げたことと、まだ若かったころ、ほうりつが分からなかったことだそうだ。
今の大パパの目標は、90歳まで働くことだ。
私は、大パパがとても苦労してきたことが、あらためて分かった。そんな大パパのことを、そんけいしていて、かっこいいと思う。私の自まんの大パパだ。大パパ大好き! これからも元気で仕事をがんばって。
あのね、ほしい本があるんだぁ。
●先生、来年も担任でいて
▼福岡県朝倉市・久喜宮小4年 池田華美記者
私は、あまり学校が好きではありません。でもそれは、3年生までのことになりました。なぜかというと、4年生になって担任が井上智美先生になったからです。
先生はとても面白くて、いつも元気なので教室がもり上がります。とてもにぎやかです。音読のときに読み間違えてみんなで笑ったり、みんなでいろいろとしゃべったり笑ったりして1時間終わったこともありました。先生はおこるときはこわいけど、おこられたらみんな反省します。
学校から帰って、家でも面白かったことや楽しかったことを話して、井上先生の話でもり上がります。そんな面白くて教室をもり上げてくれる井上先生、私はとても大好きです。
私はいつも先生に言っていることがあります。
「5年生になっても絶対に担任になってください」
●70歳、瓦職人のおじいちゃん 家族のために、すごいと思う
▼福岡県うきは市・千年小4年 家永偲道記者
僕のおじいちゃんは瓦職人で、今年70歳になった。それなのに、はしごを使い、屋根の上にすばやく上る。そして、瓦をふせたり、屋根の修理をしたりする=写真。屋根の上で、忍者みたいに動いているおじいちゃんを見て、僕は本当にすごいと思う。
おじいちゃんの仕事は、とても大変そうだ。屋根から落ちるかもしれないし、ほこりをかぶって真っ黒になるし、夏は熱中症になるという。以前、温度計を持って屋根に上がったら、温度計が振り切れて測れなかったそうだ。
家族のためにそこまでしてもやるのかと思って、僕はびっくりした。僕だったら、絶対できない。でもおじいちゃんは、文句を言ったり、仕事がいやだと言ったりしない。口では言わないけど、家族のためにきつくて危険な仕事を50年以上続けてきたんだと思う。本当に自慢できるおじいちゃんだ。
おじいちゃん、あまり無理しないで、これからもがんばってね。いつもお仕事ごくろうさま。
●歯医者さんは身近なヒーロー
▼福岡市・姪浜小6年 花田麻央記者
私は今、歯のきょう正をしているので、毎月近くの山口歯科医院に通っています。
みなさんは「歯医者さん」と聞くと、ちょっと怖いイメージがありませんか? 歯を抜かれたり、見たこともない道具がすごい音で歯をガリガリしたり…。
でも、歯科衛生士のお姉さんはいつも明るく話しかけてくれるので、私はいつも安心しています。また、山口卓也先生は、きょう正の調子などを優しく教えてくださいます。歯がガタガタだと虫歯になりやすく、集中力も欠けてしまいます。
歯医者さんは、私たちの歯の健康を守ってくれる、身近なヒーローだと思います。
私は、先生がなぜ歯医者さんになったのか、質問してみました。先生は小さな島生まれで、手先が器用で理数の勉強が得意なのを生かして、人の役に立つ職業になりたかったそうです。それで歯医者という職業にたどりつきました。私は、先生が「歯医者になりたい」と思ってあきらめず、なることができたことをすごいと思いました。
これからも、多くの人の歯の健康と笑顔を守っていってほしいです。
●大勢でささえるミュージカル
▼福岡県新宮町・立花小4年 永井晨翔記者
僕は福岡県新宮町で27日にある住民参加型ミュージカル「龍王との誓い~相島積石塚群の謎」に出演するため、練習しています。歌もダンスも習っていない僕がミュージカルに出られるのは、町のコミュニティーセンターそぴあしんぐうの方々が住民参加での上演を企画してくださったのと、劇団ドリームカンパニーの方々が、歌やダンス、役づくりについて教えてくださったからです。
僕はこのミュージカルに参加したことで、人前に立つのが平気になりました。ダンスを優しくゆっくり教えてもらって、体が柔らかくなり、ダンスが好きになりました。演出の徳満亮一さんには、その役の気持ちだけでなく、あいさつや時間を守る大切さなども教えてもらいました。そぴあしんぐうの方々には、ミュージカルに出てくる町の歴史ある場所に連れて行ってもらったりしました。
このミュージカルには、歌をつくってくださった先生のほか音響、照明、大道具などに多くの方々が働いてくださっています。今までは劇を見るだけだったけど、今回参加してこんなにたくさんの人が働いていると知りました。
このミュージカルに携わってくださったみなさん、僕はたった4カ月だったけどとても成長できたと思います。ありがとうございました。
【紙面PDF 】勤労感謝の日 働くすがた かっこいい こども記者、思いをつづる<上>
=2016/11/23付 西日本新聞朝刊=