【きょうのテーマ】鉄道の歴史 ふれてみた 九州鉄道記念館(北九州市門司区) 時代とともに走る

西日本新聞

 蒸気機関車(SL)、特急電車、ブルートレインの実物を展示し、多くの鉄道ファンでにぎわっているのが九州鉄道記念館(北九州市門司区)です。鉄道の歴史はわたしたちの生活の歴史。時代とともに走った名列車の車窓から見えるものは? 乗り物が大好きなこども記者たちと「鉄道ワンダーランド」へ出発進行!

【紙面PDF】きょうのテーマ 鉄道の歴史 ふれてみた 九州鉄道記念館(北九州市門司区)

 九州鉄道記念館は九州初の鉄道会社・九州鉄道(JR九州の前身)が1891年にのちの鹿児島線である九州鉄道路線の起点を門司駅(現JR門司港駅)としたことから、北九州市が門司の鉄道文化発信を目的に、JR九州の協力を得て2003年に開業させた。

 記念館の企画・広報課長の下川洋平さん(40)がまず案内してくれたのは実際の駅のホームさながらに造られた車両展示場だった。

 九州で活躍した実物の保存車両9両がずらりと並ぶ。西村律希記者が注目したのは9600型SL「59634」(1922年製造)だ。下川さんは「車体番号が『ごくろうさんよ』と読め鉄道ファンに人気が高い。74年まで働いた北九州最後のSLの一両です」と説明。西村記者は「機関車に名前がついているみたいでおもしろい」と感じた。

 SL「C59 1」(41年製造)を前に下川さんは「東海道、山陽線などで活躍し地球62周分の距離を走行した車両で、今年『75歳』になりました」と話した。永井晨翔(あきと)記者が「古い車両なのにどうしてこんなにぴかぴかなのか」と聞くと「私たち職員は毎朝出勤すると展示車両をみがきます。このC59は私の母と同じ年齢なのでとくに愛情を感じますね」と笑った。

 車内が見学できる車両もある。大分方面の路線を走ったディーゼル車「キハ07 41」(37年製造)は流線形の優美なデザインが特徴。西原ゆう特派員は木を使った座席や内装に驚きながら「今の電車よりも天井が低い。昔の人は背が低かったからだろう。電車はその時代の人に合った作りになっている」と気付いた。

 こども記者が「絶対に乗りたい」と思っていたのが「ブルートレイン」の名で知られる14系寝台客車(72年製造)だ。車両に乗り込むと、真っ先に西原特派員が上下2段の上の寝台を目指してはしごを登った。床から天井までの高さは約2メートル30センチ。続いた西村記者は「下を見ると高くてこわい」と感じたが転落防止のベルトもあり、安眠できそう。「2段の寝台で向かい合わせなので、乗り合わせた人は4人で仲良く話していたのかな」と寝台特急での旅に思いをはせた。

 ●日本一遅い観光列車 「潮風号」に乗る

 こども記者たちは門司港レトロ地区(北九州市門司区)を走る観光トロッコ列車「潮風号」(78席)にも乗車した。

 潮風号は休止した貨物線を活用し、2009年に北九州市が開業させ、平成筑豊鉄道(福岡県福智町)が運行を担当している。九州鉄道記念館駅から関門海峡めかり駅までの約2キロを10分ほどで走る。

 車内に入ると窓が広く「客車の中は木でできていてぬくもりがある」と永井記者は感じた。駅を出発すると車掌さんが「列車の最高速度は日本一遅い、自転車並みの時速15キロです」とアナウンス。永井記者は「これが日本一遅いトロッコ列車か」と初めての乗り心地を楽しんだ。

 窓からは国際港・門司の歴史を語る建造物が見えた。関門橋が近づき、「窓からふわっと海のかおり」を感じた西原特派員は「この列車には三つの工夫がある」と思った。(1)門司港レトロの風景を楽しみながら解説が聞ける(2)四つある駅では列車の発着の際に駅員さんが笑顔で手をふってくれる(3)トンネルに入ると蛍光塗料で描かれた魚や門司港の夜景が浮かび上がる-。西村記者も「まるで星空を見ているようにきれい。暗いトンネルの中でも楽しませてくれる」と感心した。

 潮風号は毎年3月中旬~11月の土日と祝日、春夏休み、ゴールデンウイークに限って運行し、今年は10万人以上が利用した。西村記者は潮風号が通ると街の人々が家の前や踏切で乗客に手をふってくれる姿を見てうれしくなり「潮風号はみんなから愛されている」と強く感じた。3人は「春になったらまた乗りたい」と短くもロマンあふれる「列車の旅」に笑顔を見せた。

(潮風号の今年の運行は終了しています)

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=2016/12/03付 西日本新聞朝刊=

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