ごんぎつね(1)10歳の壁 4年生でなぜ学ぶ

西日本新聞

 小学4年生の教科書に登場して60年になる。児童文学者、新美南吉(にいみなんきち)がつづった「ごんぎつね」。1980年代からは、全検定教科書に掲載されるようになり、今も子どもたちに読み継がれる。償いや心の交流がテーマ。ほのぼの、ハッピーエンドの物語でもない。4年生には少し難しすぎるようにも思えるこの教材。なぜ教科書から消えることがないのか。

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 佐賀県武雄市の市立武内小学校。周囲には、物語にも登場する小川や稲田、彼岸花の農村風景が広がる。5年ぶりに4年生の担任になった橋本澄子教諭(49)は今秋、あらためてこの教材と向き合うことになった。

 小学校の新任教諭の多くは中学年を担任する。橋本教諭も1年目、4年生を担任し、国語で「ごんぎつね」を教えた。

 「あのころは段落ごとに読み進め、どんなことがあった? ごんはどんな気持ちだった? 兵十(ひょうじゅう)は? ひたすら問い掛ける授業で精いっぱいでした」

 教諭として年を重ねるに連れ、この教材の重みも増していくのだという。

 「情景って言葉ありますよね。人の心と場面が重なり、深く伝わってくるような。子どもたちはまだ、その言葉自体は知らないんだけど、その感覚を初めて知る教材だと思う」 

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