25人が参加 こども記者初のバスツアー 佐賀県立宇宙科学館(武雄市)<上>

西日本新聞

 ●宇宙に飛び出せ

 宇宙に飛び出せ、地球を羽ばたけ-。こども記者25人が11月12日、佐賀県立宇宙科学館(同県武雄市)をバスツアーで訪れ、「宇宙」「プラネタリウム」「地球」「佐賀の自然」の四つのテーマに分かれて取材しました。大人数での出張取材は2010年にこども記者制度が始まって以来初めて。わくわくしながら、さまざまな体験を通じて友情を育みました。その様子を2回に分けて掲載します。今回は館内の「宇宙発見ゾーン」とプラネタリウムでの星空体験を紹介します。

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 ●宇宙発見ゾーン 「月面歩行」を体験

 「宇宙発見ゾーン」は天文学や宇宙開発に関する最新情報を発信する展示がいっぱいだった。

 太陽系の全体像を紹介するコーナーでは、太陽と惑星、準惑星の計10個の重さを比べる展示に好奇心をかき立てられた。地球を3キロとすると、太陽は83・2キロ、木星は7・11キロ、冥王星は0・18キロになるという。それぞれの重さを棒状の重りを持ち上げて実感。立川花菜(はな)記者は「太陽は重すぎて固定されていたが、その次には木星が重かった。びっくりするくらい軽かったのは冥王星」。中野冴弥子記者も「木星は精いっぱい力を入れないと上がらなかった。まるで自分が宇宙で星を持ち上げているような気がした」と驚いた。

 ★隕石の実物を触る

 「学校であった自然教室の天体観測で太陽を観察したとき、黒い点が見えて、なんだろうと疑問を持っていた」という中野由莉記者は、太陽の解説を読んで、それは「黒点」というもので「温度がまわりよりも低いため黒く見えているということを知り、とても勉強になった」と感じ、「月にも興味がわいたので自分で調べてみよう」と新たなテーマを見つけた。

 田上桜菜(さな)記者は太陽系や銀河系の星々と青い地球の美しい写真を見比べながら「地球は太陽系の中でただ一つ気体、液体、固体の状態で水が存在し、生命の誕生と進化の歴史のある惑星」としみじみ思い「いつか金星や火星などに行って本当に生物がいないのか見てみたい」という夢を抱いた。会場には触ることができる「鉄隕石」(重さ200キロ)の実物の展示もあり、表面をなでたり磁石をくっつけたりしながら大宇宙の驚異に思いをはせた。

 ★宇宙飛行士気分に

 「スペースジム」のコーナーでは宇宙空間での姿勢制御の訓練に使用された「宇宙トレーナー」など宇宙飛行士気分を味わえるさまざまな装置が体験できる。ばねを使って地球の6分の1しかない月の重力の下での歩行体験ができる「ムーンウォーク」には来場者の長い列ができていた。

 体験した花田麻央記者は「すごく高くジャンプしてまるで空を飛んでいるよう。重力のちがいで月では重い宇宙服でも高くジャンプできるのがすごい」。本多真麻記者は「思い通りに動けなかった。歩くだけでも大変なのに宇宙飛行士は食事やトイレや寝るときはどうしているのかなあ」とそれぞれ思った。

 ★未来への道開いて

 見学を終えたこども記者たちは宇宙科学館のスタッフに質問をした。中野冴弥子記者の「宇宙はどうやってできましたか」という問いに、宇宙関係の展示を担当する「スペースチーム」の河野徹也さんは「難しい質問ですね」とほほ笑みながら、宇宙は巨大なエネルギーが広がって138億年前に誕生したと考えられていることなどを紹介し、「今、宇宙の始まりを調べることが最先端の科学になっています。君たちが科学者になって、未来への道を開いてくれることを期待しています」とエールを送った。

 取材を終えて立川記者は「宇宙のことをたくさん知ることができた。もっと本を読んで宇宙への関心を広げたい」。本多記者は「宇宙にはまだまだ不思議なことがあるので調べたい」。花田記者は「科学の力で未来には大きな宇宙船で宇宙旅行に行くのも夢じゃない」と夢をふくらませた。

 ●プラネタリウム 星座の解説ひと工夫

 季節の星座や宇宙を体験するプラネタリウムでは、26万個の星を再現できる。こども記者たちは秋の星空を満喫した。

 ☆声で飽きさせない

 プログラムは年齢に応じて多数あり、1回約50分の
投映時間のうち、25分はその場で解説する。担当の河野徹也さんは、観客が子どものときには易しい言葉で分かりやすさを心掛けながら、暗闇での説明は声で観客を引きつけることも重要だと考え、声のトーンを変えたり、時には関西弁を交えたりしながらユーモラスに語る。硲美波記者は、観客が飽きない工夫をしていると知った。横山直穂記者は「説明は原稿を読んでいるのではなく、すべて覚えていると知り驚いた」。だからこそ「観客に問い掛けたとき、返事がなかったら悲しいし、面白かったと言われるとうれしい」という河野さん。竹元美結記者は、解説の仕事の大変さを深く感じた。

 ☆星座の見つけ方は

 空に浮かぶ無数の星から、目当ての星座を見つけるのは難しい。永田莉子記者は簡単な探し方を尋ねた。こつは春の北斗七星、夏の大三角、秋の四辺形、冬のオリオン座など、季節を代表する星を見つけること。その星座を手掛かりにすれば、別の星座も見つけやすいそうだ。

 プラネタリウムでは、月についても学んだ。高瀬響希記者は「昔は日ごとに形を変える月が日付を知る手段だった」と知った。硲記者が月の表面にウサギのように見える部分について尋ねると、隕石がぶつかったりした跡だと分かった。星や月についてさまざまなことを学んだこども記者たち。芝原凛記者は「新たなことに興味を持つことが、未来につながるのだ」と感じた。

 ●わキャッタ!メモ

 ▼佐賀県立宇宙科学館「ゆめぎんが」 佐賀藩は幕末、実用反射炉の開発に成功するなど高い技術力を誇った。同科学館は佐賀のものづくり文化を背景に「宇宙から地球・佐賀を発見する。佐賀から地球・宇宙を発見する。」を施設のテーマとし1999年に開館した。

 入場料は大人510円、高校生300円、小中学生200円、4歳以上100円。プラネタリウムは別料金。月曜休館(祝日の場合は翌日休館。春夏休み、ゴールデンウイーク期間中は無休)。問い合わせは同館=0954(20)1666。

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=2016/12/07付 西日本新聞朝刊=

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