ホタテから抽出の物質 アルツハイマー病に有効 九大など臨床試験で確認

西日本新聞

 アルツハイマー型認知症にかかると減少する体内物質「プラズマローゲン」(PL)について、ホタテガイから抽出したPLを認知症患者に経口投与すると症状に改善が見られたとする臨床試験の結果を、九州大や福岡大などでつくる研究班が発表した。研究班は「PLの有効性が証明された」としている。

 PLは、抗酸化作用をもつリン脂質の一種。ヒトでは脳神経細胞や心筋、リンパ球など、ヒト以外には貝類やニワトリ、クジラなどに含まれている。これまでは40人を対象にした小規模な臨床試験しか行われていなかった。

 臨床試験は(1)軽症アルツハイマー患者(2)認知症予備軍といわれる軽度認知機能障害の人-の計328人を対象に6カ月間実施。患者や家族、主治医には試験の趣旨を説明した上で、半数にはPLを1日1ミリグラム、残り半数にはPLに似せた偽薬を、どちらかを明かさず飲んでもらう「二重盲検法」で効果を厳密に調べた。その結果、投与終了後の記憶力テストで、軽症アルツハイマー患者だけに有意な改善が見られた。

 一方で、中等症と重症のアルツハイマー患者75人を対象にPLと告げて3カ月間飲んでもらった試験では認知機能テストで中等症患者の半数は改善したが、重症患者には有意な改善は見られなかったという。

 これらの成果は、11月7日に九州大医学部であったPLに関する国際シンポジウムで発表された。創薬には時間と膨大な開発費がかかることから、研究班を代表して記者会見した藤野武彦九州大名誉教授は「健康食品としてできるだけ安く多くの人に提供できるよう開発を続けている」と話した。


=2016/12/03付 西日本新聞朝刊=

PR

医療・健康 アクセスランキング

PR

注目のテーマ