エコエコクッキング 材料も後始末も 無駄なく

西日本新聞

 例えば、一つのフライパンで焼き野菜を作って、次に魚を焼き、最後にソースを作る。蒸し料理に使ったお湯もスープにして食べる。徹底的に無駄を省いた、名付けて「エコエコクッキング」。講座を開いているのは福岡県古賀市の「エコけん」。節水や省エネをテーマに体験型イベントを開催している認定NPO法人だ。

 食材の入手からこだわる。「まずは地産地消」と理事長の清水佳香さん(57)。遠い産地の物はそれだけエネルギーを使って運ばれてくる。産地の近い物を買うのが省エネにつながるとの考え方だ。包装もできるだけ簡易な商品を選ぶ。

 調理の際のエネルギー減は言うまでもない。パンを作るときの発酵は、真昼の車内や窓辺に生地を置く「お日さま発酵」だ。

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 エコけんがスタートしたきっかけは、地元のごみ焼却施設の建て替えだった。玄界環境組合(福岡都市圏北部3市1町)の古賀清掃工場(愛称・エコロの森)の計画が明らかになり、近所の女性が集まって学習会を開催。ダイオキシンの発生を減らそうと原因となるプラスチックの分別回収を始めた。

 2001年にNPO法人となり、工場稼働後の03年からは工場内にある再生・展示棟の事業、運営を任されている。廃油せっけん作りなどのリサイクル教室、不要となったおもちゃの交換イベント、省エネの出前講座などを手がける。

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 エコエコクッキング講座を主に担当するのは発足メンバーの一人、武田京子さん(64)。夏お薦めの常備菜として、ゴーヤーの甘酢漬けを紹介してくれた。大根、ニンジンなど好みの野菜、余った野菜も活用できる便利な一品だ。

 料理のボリュームアップには、おからを生かす。例えば、ポテトサラダならジャガ芋の量に対して4分の1程度まで混ぜ込んでもおいしいという。

 後始末にも本領が発揮される。油などの汚れは排水に溶け込まないように拭き取る。それにも着古したTシャツを使う。最大ティッシュペーパーほどの大きさに切って箱などに入れて、手の届く所に常備する。清水さん宅では、食べ終わった食器は必ず汚れを拭き取って流しに持っていく。これも排水処理施設で消費するエネルギー量を少しでも減らそうという試みだ。水道で洗剤をすす
ぐときはサインペンの太さの水量が基本。生ごみは土に埋めて肥料にする。

 随所に「今あるものを効果的に使い尽くそう」という思いがあふれる。省エネやごみ減量の核心でもあると清水さんは言う。長年、活動を積み重ねてきて至った心境であり、極意だろう。

 ただ「大した努力もなしにできる」ことでもある。必要なのはちょっとしたきっかけと行動に移す気持ち。小さな取り組みを面倒と感じて何もしないのか。それとも少しずつでも実行するのか。一票一票が選挙の結果を左右するように、一人一人の行動が社会を変えていく。

 エコけん=092(944)6450。

 〈エコエコクッキング・レシピ〉

 ★おから入りスコッチエッグ
 【材料4人分】合いびき肉180グラム/生おから50グラム/卵1/2個/玉ネギ1/3個/ゆで卵4個
 【作り方】(1)ボウルにひき肉、みじん切りした玉ネギ、卵、おからを入れて粘りが出るまで練る(2)ゆで卵を作る(3)ゆで卵の殻をむき、小麦粉をまぶして(1)を4等分にして卵を包む(4)小麦粉→溶き卵(材料とは別分量)→パン粉の順につける(5)天ぷら鍋に油を注ぎ170度ぐらいで揚げる(頻繁に動かさない)(6)ケチャップなどを添える

 ★ゴーヤーの甘酢漬け
 【材料】ゴーヤー中1本/ミニトマト10個/砂糖大さじ5/酢大さじ5/塩小さじ1
 【作り方】(1)ゴーヤーは縦半分に切ってスプーンなどでわたを取り除いて、1センチ幅に切る(2)ふた付きの容器にミニトマト、ゴーヤー、砂糖、塩を入れ、酢を回しかける。時々、上下をひっくり返しながら冷蔵庫に2日間おく。


=2016/07/27付 西日本新聞朝刊=

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