年末年始の「嫁しゅうとめ」<上>愛想笑い…つい気遣い

西日本新聞

 年末年始の帰省で家族が集まるのを前に、気分が重くなったり胃が痛くなったりしている人もいるのではないだろうか。核家族化が進み、伝統的な家制度を背景とした「嫁」「しゅうとめ」の関係は変わってきている。とはいえ、やはり気を使う間柄なのか…。双方の本音と、良い関係を保つためのこつを聞いた。今日と明日の2回に分けて紹介する、まずは「嫁」の立場から。

 この時季、もんもんとするのには、義母とのかみ合わない関係がある。

 ★義母(58)が台所で手伝ってほしそうにしているから、「やります」と声を掛けるけど断られる。本心なのか遠慮なのか分からず、無理にでも手伝った方がいいのか悩む。振る舞ってくれる料理も薄味であまり口に合わない。夫(27)がちゃんと食べているか心配なようで、料理やお菓子を持って突然やって来ることも。その中に私がお中元で渡したようかんが入っていてちょっと悲しかった。悪気はなさそうなんだけど。
 (福岡市中央区、26歳)

 ★お節料理を完璧に作る70代の義母に気後れする。「うちの息子(夫)はこれが好きなのよ」と私のやり方を否定することもあってカチンとくる。帰省は愛想笑いをして、ひたすら気を使う我慢の時間。こんな私の気持ちを分かってか、娘は夫の両親には心を開いておらず、ちょっと申し訳ない。 (同区、46歳)

 義母に対し一定の距離から踏み込めない理由には、育児に不安を抱える頃に受けた一言があることも…。

 ★出産後、母乳の出が悪かった。産後で体がきついのに、抱っこしてずっとくわえさせておけば出ると言われて悲しかった。何かにつけ、三つ子の魂百までと言われるのもプレッシャー。実の親なら言い返せても、義母はけんかしたら修復が難しそうで遠慮してしまう。(同市早良区、49歳)

 一方、「人生の先輩」「強力な助っ人」として、良い関係を築いている人もいる。

 ★近くに住む60代の義母のサポートがないと働けない。夫(37)への不満はすぐに浮かぶのにお義母(かあ)さんへの不満はない。私たちの子育てに言いたいこともあるだろうけど、口を出さないでいてくれる。馬が合って、友達みたい。
 (福岡県田川市、37歳)

 ★義母(68)に産後の手伝いに来てもらい助かった。ただ、赤ちゃんの洋服は別に洗っていたのに、一緒に洗濯機で洗っていた。「あらー」と思ったけど、手伝ってもらっているんだから、お義母さんのやり方で当然。いちいち気にしない方がうまくいくんじゃないかな。 (長崎市、41歳)

    ×      ×

 ●完璧目指さない 男性は双方立てて 井之上幸子さん(55) 結婚相談所「アイライン」代表

 今まで200組以上の成婚カップルの誕生を見守ってきました。義母との関係も含めさまざまな悩みの相談にも応じています。
 まずは、完璧な「嫁」になろうとしないでください。いい点数をもらおうとするあまり、訪問が苦になり足が遠のく人が多いです。分からないことを教えてもらうぐらいの気持ちでいましょう。不得意なことは先に伝えてしまうと楽です。

 「夫がマザコンだった」という相談もあります。話を聞くと、夫が義母の料理をおいしいと褒めるのが気になるようです。そんな人には「義母と同じフィールドに立つ必要はないですよ」と伝えます。自分は夫の妻で母ではない。そもそも競う必要はないのです。男性はどちらも立てることが大事。例えば料理なら、帰省先では「お母さんの料理はおいしい」、自宅に帰ったら妻に「君の料理がおいしい」と伝えてください。言葉の力は大きいです。

 時には「今年は帰省したくない」ということもあるかもしれません。そんなときはうそも方便。用事で帰れないことにして夫や子どもだけの帰省でいいと思います。義務にすると自分がつらいし、続きません。

 義母との距離が縮まらないと悩んでいる人もいます。特に結婚当初は緊張して何をしゃべればいいか分からないもの。そんなときは、趣味のことなど義母自身のことを尋ねてみてください。人は質問されると「自分に関心を持たれている」と感じてうれしくなります。ささいなことですが、良い関係を築く一歩です。


=2016/12/20付 西日本新聞朝刊=

PR

くらし アクセスランキング

PR

注目のテーマ