NIE福岡県大会 直方市の直方第二中で公開授業 新聞で世界の出来事学ぶ

西日本新聞

 NIE(教育に新聞を)の福岡県大会が8日、同県直方市の直方第二中で開かれた。県教育委員会や新聞各社などでつくる県NIE推進協議会が主催し、今回が11回目。1年6組の生徒たちが新聞記事で世界の出来事を学んだ社会科・地理の公開授業と講演を紹介する。

【紙面PDF】NIE福岡県大会 直方市の直方第二中で公開授業

 ■気になる記事を貼る

 直方第二中は、九州・沖縄に83校あるNIE実践指定校の一つ。公開授業を担当した平田大夢教諭(27)は、まず生徒約30人の前に立ち、めあて(学習目標)として「新聞記事から世界の出来事と特徴を考え、学級で紹介しよう」と黒板に書いた。

 生徒は4、5人ずつ、アジアやヨーロッパなど、担当する地域を決められたグループに分かれて作業を進めた。すでに切り抜いていた記事の中から、自分が気になった記事を選んでワークシートに貼り、感想などを書き込んだ。

 ■白地図にまとめ発表

 平田教諭は各グループを見て回り、「EU(欧州連合)は何でしたっけ?」などという質問に答えたり、考え込む生徒にアドバイスしたりした。生徒同士で「南スーダンはアフリカのどこ?」などと尋ね合い、記事に添えられた地図で場所を確認することもあった。

 「イギリスがEU離脱」、「エジプトで日本式教育」、「リオのパラリンピック閉幕」など、生徒が選んだ記事は政治や教育、スポーツなどさまざま。各地域の白地図が描かれた大きな紙に、ワークシートをまとめて貼ると、世界のどこで、どんなニュースがあるのかが分かるようになった。

 続いて各グループの発表があり、ヨーロッパ担当の生徒は「政治、経済の記事が多かった」、北アメリカ担当の生徒は「トランプ(次期米国大統領)の記事が多かった」などと話した。

 ■見学者と意見交換も

 最後に、平田教諭は生徒に対し「新聞には、学校で習ったことも出てくるし、知らないことも出てきます。世界にはいろんな問題やニュースがあるので、これからも新聞を使って学びましょう」と呼びかけた。

 この授業は他校の教諭や新聞関係者ら約50人が見学し、終了後には意見交換もあった。授業が予定の50分を超過したこともあり、「テーマが広すぎた。一つに絞った方が良かった」という助言があった一方で、「先生が終始、笑顔で生徒たちと接している姿が良かった。生徒たちもアクティブラーニング(能動的な学び)ができていた」と評価する声も出ていた。

 ●葛藤創造型の学びへ 「正解のない学習」できる新聞

 ▼鈴木邦治・福岡教育大教授の講演

 鈴木邦治・福岡教育大教授は「思考を深めるための交流活動のあり方と授業デザイン」のテーマで講演し、「教科書と違って、新聞では『正解のない学習』ができる」と強調した。

 子どもたちは、教科書に書いてあることが正しいことと思いがちで、先生に対してすぐに「答えは何ですか」「結論は何ですか」と言う傾向がある、と鈴木教授は指摘。一方、「新聞は、新聞社の論調や切り口などを比べれば、同じ物事でも多様性がある」と話した。

 そして、「先生の考えも一つの考え方にすぎない」と言えば、子どもたちは「じゃあ、正解は何ですか」と葛藤するが、鈴木教授は「葛藤して、自分でつくっていく葛藤創造型の学びが大事」「答えは一つじゃない、いろんな見方と出合うことが楽しい、と知ってほしい」と話した。

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=2016/12/21付 西日本新聞朝刊=

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