睡眠の質 高めよう 1月21日 公開講座

西日本新聞

 福岡県医師会と西日本新聞社は来年1月21日、福岡市中央区天神1丁目のイムズ9階イムズホールで公開講座を開く。最新の医療情報や研究成果を紹介し、治療の参考に加え、病気の予防にもつなげてもらおうと定期的に企画。今回は睡眠を取り上げ、睡眠の必要性や睡眠不足の弊害などを紹介する。

 睡眠研究の第一人者として知られる同県久留米市の久留米大副学長・医学部長で神経精神医学講座の内村直尚教授が「睡眠はこころとからだのバロメーター~よりよい睡眠が健康を守る」と題して特別講演。その後のシンポジウムは「ぐっすり睡眠で健やかライフ~睡眠を制するものは健康を制す」のタイトルで、内村教授のほか、同県医師会の瀬戸裕司専務理事、本年度県医師会医療モニター2人の計4人が参加し、体験を交えながら討議する。西日本新聞社の田川大介社会部長が進行役を務める。

 午後1時開会。定員415人、無料(先着順)。1月13日締め切り。問い合わせは福岡県医師会総務課=092(431)4564=へ。

 ●「早寝早起き」実践を 久留米大・内村直尚教授に聞く

 睡眠はなぜ大切なのか、睡眠の効果は-。公開講座で特別講演する久留米大の内村直尚教授(60)に聞いた。

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 糖尿病、高血圧、認知症、うつ…。睡眠を十分にとらないと病気のリスクが高まる。最近の研究で、起きているときに脳や体にたまった老廃物や疲労物質を、寝ている間に排出することが分かってきた。

 睡眠時間は年齢によって異なる。25歳7時間、45歳6・5時間、65歳6時間。あくまでも平均で、脳と体の健康を維持するにはもう少し必要だが、このくらいを目安に眠ってほしい。質も大事で、最も睡眠の質が高いのは午前4時まで。例えば、6時間寝る場合、最も理想的なのは午後10時~午前4時。同じ6時間でも午前4~10時では質が悪くなる。昔から言われている「早寝早起き」を実践することが大切だ。

 コンビニなど24時間営業の店が増え、夜になっても街には光があふれている。とりわけ、青色発光ダイオード(LED)は最も睡眠を阻害する。青の波長が脳から分泌される睡眠ホルモンを抑制するからだ。スマートフォンやパソコンの光も悪影響。便利になればなるほど眠りが奪われる。だが、暮らしから光を排除することは不可能で、正しい知識を持って睡眠と向き合っていく必要がある。

 1981年、国内初の睡眠障害専門外来を開設した。最近増えているのが、昼間の眠気を訴える人。気力がない、やる気が足りない…。周囲はこう見るかもしれないが、「睡眠不足症候群」という病気だ。薬で治療する睡眠時無呼吸症候群とは異なり、難治の病気。要因は睡眠不足で、生活環境を変えないといけない。患者の家族や会社の上司、児童生徒の場合には教諭を呼んで、昼間の眠気を理解してもらうと同時に、ノー残業や朝の課外授業の免除など協力をお願いしている。睡眠不足に処方すると、病気の本質が分からなくなり、症状を悪化させる。

 間もなく受験シーズン。昔は5時間寝たら不合格という「4当5落」だったが、今は6時間寝ないと力が発揮できない「6当5落」と言われている。さらに、起床時間も大事。人間が覚醒するには起きてから3時間かかる。それまで脳は働かない。100%の実力を出すには睡眠の時間とリズムを確保し、少なくとも1カ月前から試験開始時刻の3時間前の起床に努めてほしい。睡眠を制する者が受験を制し、人生も制する。

 私の睡眠時間? 毎日午前0時まで仕事で研究室にいるため、帰宅して寝るのは午前1時半、起きるのは5時半。人には偉そうに言うけど、実践は難しい…。


=2016/12/24付 西日本新聞朝刊=

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