おでん、変わり種もいける たれをひと工夫 手作りの練り物 ワカメやトマトも

西日本新聞

 寒い季節に恋しくなる料理と言えばおでん。手軽な人気メニューだが、それだけにマンネリにも陥りそう。具材で変化を持たせようと福岡市内の専門店に自慢の変わり種を教わった。

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 一番簡単なのは、みそなどのつけだれを工夫する方法だろう。洋風ソースが目を引く「カドノカシーワ」(中央区西中洲)の一押しは「大根×シャンピニオン」。マッシュルームの風味と大根に染みただしが口いっぱいに広がり、シャンパンやビールにも合いそう。

 「主張し過ぎず、こくも与えてくれる優しいソースです」と運営会社トリゼンフーズ商品開発担当の加藤克実さん(44)。若い女性も気軽に立ち寄れる店を目指して昨年11月にオープンした。鶏のだしも特徴だ。

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 凝った具材に挑戦したい人は季節料理「はくしか中洲店」(博多区中洲)の自家製練り物「はくしか揚げ」が参考になりそう。アゴやホタテの貝柱も使ったおでんだしがよく染みて、やわらかな食感を楽しめる。少し大きめのニンジンとキクラゲが、歯応えよくアクセントになっている。

 練り物はうま味全部が出てしまわないよう煮込み過ぎは禁物。1時間ほどが目安となる。料理長の南川潤さん(38)は「ぱさつかないように、練ったらすぐに揚げるのも大切」という。

 近年、野菜を提供する店も目立ってきた。「今泉蛸笑(たこしょう)」(中央区今泉)は注文後に具材を一つ一つ調理して提供する。料理長の宮原広之さん(30)に紹介してもらったのはトマト。湯むきした後、おでんだしで約10分炊き上げる。器にトマトとだし、それにかつお節と三つ葉を散らして味わう。「トマトのうま味が出ただしも味わって」と宮原さん。

 もう一つの揚げ里芋は下ゆでした後、砂糖を入れたおでんだしで甘く炊き上げ、さらに油で揚げるという手間暇かけた一品だ。

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 「最近はワカメ、湯葉、車麩(ふ)、トマトなどが気に入っている具材」という福岡市早良区の主婦は「おろししょうがを薬味にさっぱりといただく」という。専門店だけでなく各家庭にもそれぞれの味と工夫がある。ただ、決して外せないのはだしをいかに具材に染み込ませるかだろう。

 福岡の屋台でギョーザ巻きと出合ったのを機に「おでんの深みにはまった」という研究家、新井由己さん(51)=山梨県在住=は各地を食べ歩き「日本全国おでん物語」(生活情報センター)などを出版。「おでん博物館」のサイトを運営する。新井さんによると、味を染み込ませるポイントは「適温調理」。下処理した具材をだしに入れ、沸騰したら弱火で5~7分煮込んだ後、新聞紙とタオルケットで鍋を包み、そのまま5~6時間おく。だしは冷めるときに味が染み込むためだ。あとは食べる前に温めるといい。 (藤崎真二)

 ★シャンピニオンソース

【材料】マッシュルーム6個(70グラム)/玉ネギ50グラム/バター20グラム/オリーブ油20グラム

【作り方】(1)玉ネギとマッシュルームをスライスする(2)フライパンにオリーブ油を敷き玉ネギを炒め、色が付いたらマッシュルームを炒める(3)おでんだし100ミリリットルとバターを加えて弱火で5分煮込む(4)ミキサーにかけてペーストにする(5)(4)と生クリームを3対1の割合で延ばして加熱。塩、コショウで味を調える。

 ★はくしか揚げ

【材料】スケトウダラのすり身300グラム/合いびきミンチ150グラム/卵1個/片栗粉少々/みじん切りの玉ネギとゴボウ、細切りのニンジンとキクラゲ(好みの量)

【作り方】(1)すり身、溶き卵1/3量、塩少々をミキサーにかける(2)ボウルに移してミンチと食材、残りの溶き卵、片栗粉を混ぜ合わせて十分に練り、平らな団子にする(3)170度の油で茶色になって浮かんでくるまで揚げる(4)おでん鍋に入れて1時間ほど煮込んで完成。

 ★揚げ里芋

【材料】里芋(好みの量)/米のとぎ汁適量/おでんだし500ミリリットル/砂糖60グラム/片栗粉少々

【作り方】(1)皮をむいた里芋を米のとぎ汁で、串が通るぐらいになるまでゆでる(2)水に5分さらす(3)おでんだしに砂糖を加えて煮込む(4)片栗粉をまぶし170度の油で揚げる(5)器に盛り、おでんだしをひたひたに入れる。


=2017/01/18付 西日本新聞朝刊=

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