わが家の「スマホ法」を作ろう 子どものトラブル避けるため 時間 場所 友達間でも フィルタリングは3段構えで

西日本新聞

 スマートフォンを持つ子どもが増えている。内閣府が2015年に行った調査によると、小学生(満10歳以上)のスマホ所有率は24%で、4人に1人に上る。便利な半面、使い方を誤ればトラブルや依存症に陥る危険もある。安全に使うため、リスクや対策について家族で確認しておきたい。

 福岡市内の母親(46)は小学4年の長女(10)から「スマホがほしい」とせがまれ悩んでいる。「親のスマホでゲームをさせることはこれまでもあったが、持たせるのは話が違う…」

 東京都が同年行った調査で、スマホ購入の理由を複数回答で聞いたところ、「子どもの所在地が分かるようにするため」(32%)と並んで最も多かったのが「子どもにせがまれたため仕方なく」(同)だった。

 NTTドコモ九州支社(福岡市)のスマホ・ケータイ安全教室インストラクター高尾千寿さん(34)は、「子どもの言うままにすぐに買わず、まずはリスクやルールについて話し合ってほしい」と助言する。

 具体的なリスクは、(1)誹謗(ひぼう)中傷やネットいじめ(2)個人情報漏えい(3)スマホ依存(4)歩きスマホによる事故‐など。「どうしたら防げるか」を家族で考えた上で、ルールをつくる。

 柱となるのが、時間と場所。「朝6時から夜10時までのうち1日1時間」など使える時間帯を決め、それ以外はスマホに触らない。特に小学生は、情報の良しあしの判断や時間管理の能力が十分ではないため、親の目の前でしか使わないようにする。利用場所を「リビング」などと決める。

 友達との間でもルールを作らせる。相手にも都合があることを理解し、「また明日」「おやすみ」など、やりとりを終わらせるサインを決める。お互いの写真を勝手に会員制交流サイト(SNS)などに掲載しない約束もしておく。

 インターネット上には有害サイトが氾濫しているため、「フィルタリング」(閲覧制限)も必須だ。出会い系サイトや交流サイトで被害に遭った子どもの9割が、フィルタリングを利用していなかったという警察庁のデータもある。

 高尾さんが勧めるのは、(1)携帯会社の通信回線(2)無線LAN回線(3)アプリの利用制限-の3段構えのフィルタリングだ。携帯会社のサービスや専用アプリなどで対応できる。設定方法は携帯会社や機種によって異なるため、販売店で相談しよう。

 ●相手の気持ちも考えて

 こうした具体策のほか、スマホにどう向き合ったらよいか、心構えを確認しておくことも大切だ。

 メディア依存相談窓口がある心療内科「こころころころクリニック」(福岡県篠栗町)には、小学生の保護者からの相談も少なくないという。「刺激の強い動画などを次々に見ているうちに依存状態に陥るケースが増えており、学校に行かなくなる例もある」とカウンセラーの山田眞理子さん(65)。「子どもにスマホを持たせるのは、免許がないままスポーツカーで高速を走らせるようなもの。本当に必要か、家族で丁寧に話し合いを重ねてほしい」と話す。

 無料通信アプリを展開するLINE(ライン、東京)は、子ども向けに「違い」に着目したワークショップを行っている。昨秋、福岡市東区の和白小で開かれたワークショップでは、講師が「まじめだね」「マイペースだね」などの短い言葉を並べ、「どれが嫌か」と質問。子どもたちはお互いの考えを語り合い、人によって言葉の捉え方が違うことを確認していた。

 同社公共政策室の浅子秀樹さん(44)は「ネットでは、相手の表情が見えず気持ちもつかみにくい。相手はどう思うか、という気持ちを忘れず、楽しくコミュニケーションをしてほしい」と話している。


=2017/01/24付 西日本新聞朝刊=

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