森へおいでよ 筑豊の自然再発見<20>個性豊かな石 さあ、まず手に取って

西日本新聞

 人間は古来、石に何らかのパワーを感じ、信仰の対象としたり、魔よけや願掛けとして身に着けたりしてきた。長い時を経ても変わらない石に、人々は不変の力を感じてきたのであろう。

 近年、老若男女を問わず天然石ブームである。自然が日常生活から遠くなった現代、山や川へ足を運び自然の中に身を置くと、自然から元気をもらい心が充電されたように感じる。天然石にも、この自然の癒やしを求めているのではないかと感じる。

 パワーストーンとよばれる奇麗な石や宝石はいかにも何かすごい力を持っていそうであるが、私たちの足元にある石も、とても面白くて美しいのである。実は、筑豊は石を観察するのに面白い場所なのである。

 例えば、英彦山では火山であったこともあり、さまざまな火成岩が観察できる。また、嘉麻市の山田には炭田の中に帝王山という小火山があり、かんらん石玄武岩(げんぶがん)という火成岩を観察できる。飯塚市の古屋敷などでは蛇紋岩(じゃもんがん)(変成岩)=写真(1)やさまざまな鉱物が観察できる。宮若市の千石峡には白亜紀の地層が広がっており、堆積岩の頁岩(けつがん)中に巻き貝などの化石も観察できる=写真(2)。香春岳では結晶質石灰岩(変成岩)の他に花崗岩(かこうがん)との接触部に生成された柘榴石(ざくろいし)などのスカルン鉱物や黄銅鉱(おうどうこう)・黄鉄鉱(おうてっこう)などの硫化(りゅうか)鉱物(こうぶつ)が観察できる=写真(3)(4)。

 このように、筑豊では狭い範囲で火成岩、堆積岩、変成岩という三つのタイプの石を見ることができ、さまざまな種類の鉱物や化石も発見されている。また、遠賀川水系の河原の石を調べると、風化した花崗岩(マサ)や片麻岩、筑豊ならではの珪化木(けいかぼく)や石炭の交じったボタなどが観察できる=写真(5)。

 道端で小石を見つけたら、ぜひ腰を下ろしてじっくりと観察してほしい=写真(6)。模様や色、面白い形など個性を持った石とたくさん出合えるであろう。宝石ではないが、私たちの故郷の山から転がり出て、水によって磨かれたその土地ならではの石と出合い、元気を分けてもらうことができるはずである。

(筑豊の自然を楽しむ会=ちくぜんらく・黒河光知子(ゆず))


=2017/02/02付 西日本新聞朝刊(筑豊版)=

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