はじめちょろちょろ中ぱっぱ…科学が裏付け おいしいご飯に先人の技 「浸す」「炊く」「蒸らす」「ほぐす」

西日本新聞

 「あれ、ご飯がなんか変。パサパサしとる」。登校前の慌ただしい朝、茶わんを手に高校3年の長男が、けげんそうにつぶやいた。口に含んでみると、確かにその通りだ。妻と顔を見合わせ「いつもと違うね。何か変えた?」。「いいや、何も変えてないよ」

 長男が出掛けて15分後、炊飯器からご飯をよそって食べた。今度はいつも通りの食感と味。あっ、とひらめいた。「もしかして蒸らす時間が短かったとか」「そうかも」。蒸らしがちょっと足りなかっただけで、こんなに違うとは。「おいしいご飯」は何と微妙なのか。でも「ご飯がおいしい」とはどういうことだろう。

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 「ご飯のおいしさの解明」に取り組む東京農大(東京都)の辻井良政准教授(食品化学)に聞いてみた。おいしさの評価は「粘りと硬さの影響が7割を占める。現在は軟らかくて粘りのあるご飯が好まれる」という。成分で言うと、でんぷんの一種アミロース含有量と雑味につながるタンパク質が少ない方が好ましい。

 こうしたデータを基に、実際の食味も検討しながら品種改良を重ねてきた結果が、今の日本の市場で流通している米、とも言える。

 近年の研究では鮮度も味を決める要素だということが注目されている。確かに古米より新米がおいしいのは常識とも言えるが、なぜそうなのか。

 これは、時間の経過とともに米のさまざまな酵素が減少するのが原因という。例えば、炊飯中にでんぷんの構造を変化させて粘りを生む酵素や、米の細胞壁を壊して軟らかくする酵素などだ。新米の方がおいしく感じる理由を科学的に裏付けた形で、辻井准教授は「少量ずつこまめに買って冷蔵庫に保管しておくといいでしょう」と勧めた。 

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