森へおいでよ 筑豊の自然再発見<21>むしの色づかい ジミー(地味)&ハデー(派手)冬編

西日本新聞

 冬のむしは地味な印象を持たれるが、果たして本当に地味なのであろうか?

 むしは基本的には背景に紛れる姿をしている。逆に、背景が関係しない暗黒の土中では、色素合成のコストが無駄なためもあって白色系が多くなるようである=写真(1)。セミの幼虫が終齢のみ茶色なのは、あるいは羽化に際して地上に現れることも関係するのかもしれない=写真(2)。

 落ち葉の裏などで冬を越すチョウの幼虫が落ち葉と同じような灰色になるのも=写真(3)、枯れ葉と見まがうチョウが落ち葉の中でじっとしているのも=写真(4)、背景と同化するためであろう。冬は背景が灰色系のため、結果、むしも地味、いや、落ち着いた色合いになる。なお、このチョウの場合、止まっている姿に気付くことはまれで、森を歩いていていきなり足元から音もなくひらひらと飛びだして初めて気付くことが多い。チョウも飛ばずば捕られまい…。

 一方、それで隠れているつもりなの?と思わせる姿のむしもいる。通称「バナナむし」、緑色の葉裏ですら、かわいい黒い模様がよく目立つ=写真(5)。真冬の枯れ草や枝に止まっていることもあり、人間の目にすら簡単に見つけられてしまう。アラカシの葉裏で冬越しをしていたサシガメの幼虫は、小さいながらも、その姿と柄ゆえに、思わず写真に収めたくなるほどの派手さである=写真(6)(7)。

 隠れる気などさらさらなさそうなのがハエである。暖かい晴れた日に、日光浴をしたり、活発に飛び回ったりする姿はおなじみである=写真(8)。よほど飛行能力に自信があるのであろう、腹部の渋く美しい金属光沢を見せつける。

 落ち葉や樹皮の隙間で冬越しをするカメムシには、この時期、特に喜ばれそうなハート模様の種もいる=写真(9)(10)。背景に溶け込む色づかいではありつつも、かなり大胆な意匠がかっこいい。

 結局、冬のむしにも地味なのもいるし、派手なのもいる、というごくありきたりな結論になってしまった…。

(筑豊の自然を楽しむ会=ちくぜんらく・岸本×太(ばった))


=2017/02/09付 西日本新聞朝刊(筑豊版)=

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