細胞老化防ぐ酵素特定 熊大、米科学誌に発表

西日本新聞

 熊本大発生医学研究所の中尾光善教授(細胞医学)などの研究班は、ヒトの体内にある酵素の一種「SETD8(セット・ディー・エイト)」が、細胞の老化を防ぐ性質を持つことを突き止めたと1日付の米科学誌電子版に発表した。

 研究班によると、SETD8と細胞の老化との関わりが解明されたのは初めて。中尾教授は「酵素の量を調整する技術の開発を進め、加齢に伴う病気の予防や老化の仕組みの解明につなげたい」としている。

 SETD8は細胞の増殖や遺伝子の働きを調節する酵素として知られていた。研究班は、ヒトの正常な細胞からSETD8の量を減らす実験を繰り返し、いずれも細胞が老化することを確認した。

 マウス実験では、年齢を重ねて細胞が分裂を繰り返したり酸化したりすると、増殖機能が衰えた「老化細胞」が増加。細胞のがん化を防ぐ機能が働く一方で、さまざまな病気を引き起こすという。

 研究班は「酵素を利用して細胞の老化を適切に制御することで、全身の老化を防ぎ、健康維持につながる可能性がある」としている。


=2017/03/02付 西日本新聞朝刊=

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