真の教養人になるための指南本! あなたはわかりやすく伝えていますか?

西日本新聞

 目の前に二人の人物がいるとしよう。一人は幅広い知識をもっていて、しかも話がおもしろい。もう一人は知識をひけらかしているだけで話がおもしろくない。著者は後者を「教養バカ」と指摘している。本書の裏帯に「教養バカチェックリスト」がある。6項目のうち3つ以上当てはまるなら、本書を読んでみたほうがいいかもしれない。

 第一章では、教養人の話し方がなぜわかりやすいのかを、第二章では教養人になるための技術を、具体例を交えながら解き明かしている。著者は「わかりやすい人」とは、相手の脳内にすばやく「絵」を描かせてくれる人であると述べている。伝える相手を意識して、どんな言葉を使えばいいか、どんな話し方をすればいいか考えることが、「わかりやすい話し方」のスタートになると強調している。

 さて、本書を手に取った読者はさまざまな情報が盛り込まれている割に、読みやすいと感じることだろう。よくみるとすべての段落がほどよく短い、長くても160文字前後で収まっている。これは第二章で紹介されている技術のうちの一つに「一文は短く」を用いていると考える。短い文章は主語と述語が近く、言いたいことを明確にしやすい。140文字の制限があるTwitterの創業者やテキスト・メッセージの生みの親といわれるフリードヘルム氏の研究などを例にあげ、まとまった意味をわかりやすく伝えるのに必要な文字数は150文字以下だということが紹介されている。

 第一章、第二章だけで十分読み応えがあるが、続く第三章から第六章を読めば教養人になるためのスキルアップにつながる。特に第四章の「「語彙力」こそがわかりやすさ」は必読だ。語彙力を上げることできめ細やかな表現が可能となり「わかりやすさ」が格段に上がる。

 ところで、本書を書店で見かけたとする。背表紙のタイトルは「教養バカ」。その下に少し小さめの文字サイズで「わかりやすく説明できる人が生き残る」とある。なにが教養バカなのか、どうしてこのようなサブタイトルが入っているのか。その疑問に対する結論は裏表紙にあり「真の教養人は話し方が違う」と書かれている。なるほど、そういうことか!と本を開くことになる。タイトル、サブタイトル、裏表紙の3つで、本書のわかりやすさを伝える著者自身こそが教養人であることを物語っている。さっそく重版が決定したというのも納得だ。


出版社:SBクリエイティブ
書名:教養バカ わかりやすく説明できる人だけが生き残る
著者名:竹内 薫
定価(税込):864円
税別価格:800円
リンク先:http://www.sbcr.jp/products/4797388961.html


西日本新聞 読書案内編集部

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