宿泊棟建設貸付金で論争 「特別扱い」「公益性高い」 宗像市議会

西日本新聞

 開会中の宗像市議会定例会で、市が新年度一般会計当初予算案に計上した「サニックススポーツ振興財団貸付事業」(5億円)が議論の焦点になっている。スポーツ文化施設「グローバルアリーナ(GA)」(同市)の宿泊棟建設を計画する同財団に対し、市が建設費の半分を無利子で貸し付ける内容。市は「スポーツ観光などにもつながる」と理解を求めるが前例はなく、一部の議員に予算案の修正を目指す動きがある。

 13日に始まった市議会予算第1委員会。谷井博美市長から貸付事業の説明を受けた石松和敏市議(公明)は「貸付金の原資は税金。『うちもこの制度を使って融資してほしい』という声が、実際に市内の別の企業から出ている」と民間への貸し付けそのものに疑問を投げ掛けた。

 GAは2000年、サニックス前社長の故宗政伸一氏が、施設を運営する同財団とともに私財を投じて建設。スタジアムや人工芝フィールドを備え、ラグビーやサッカーのプロチームも強化合宿で利用している。中学、高校、大学の部活動や研修などで年間8万人の宿泊があるが、引率者や観客向けの宿泊施設はこれまでなかった。

 市によると財団は事業費10億円をかけて、トレーニングルームを備えた3階建て42室の新宿泊棟を計画。19年のラグビーW杯キャンプ地誘致を進める市も「GAの事業は公益性が高く、貸付金は市の将来への投資として必要」(谷井市長)と判断した。

 ただ、貸し付けは無利子で返済期限は25年と長く、市議会には「なぜサニックス財団だけなのか」などの声は根強い。一方で、この日の委員会審議では「宿泊施設の充実でトップアスリートが来るようになり、より価値が増えるのではないか」(吉田剛市議)など支出に理解を示す声も上がった。

 予算審議は14日も行われ、同日夕に採決が行われる見通し。公金支出に反対する一部の委員は採決前に、予算案から貸付金を削除する修正動議を提出するよう準備している。

=2017/03/14付 西日本新聞朝刊=

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