森へおいでよ 筑豊の自然再発見<26>四季を愛でる文化 山菜の彩りを楽しむ

西日本新聞

 もうすぐ春分を迎える季節、まだまだ寒い日もあるが、よく日の当たる河原や山の斜面では、草木の芽吹きも見られる。春は、すぐそこまできている。

 筆者らはこの時期、春を感じ、春を楽しむ体験プログラムとして、山菜を楽しむワークショップを行っている。今回は参加者の様子を紹介しよう。

 まずは、みんなで山菜を探しにいく。子供でも無理なく見つけられ、採集できるものを探す。間違えやすい種についても説明し、山道をゆっくりと歩く。お目当ての山菜を見つけると、実際に手に取って、匂いを嗅いだり、かじったり、五感を使って確かめる。一度その山菜を覚えると、採集するのに熱中する子も多い。「新芽を全部取ったら枯れるかも。芽を残してとるんばい」などと山菜採りのマナーも、植物の生態を織り交ぜて伝える。すると、子供たちはきちんと守ってくれる=写真(1)。

 このようにして集めた山菜はみんなで楽しむ。これまで、山菜ごはん、山菜茶、山菜ジャムなどを試した。それぞれの違いを感じ、好きなものを見つけてもらう。いずれもおおむね好評であるが、面白いのは大人と子供で好みが分かれることである。子供の方が香りに敏感なのか、強い香りの山菜を好まないことが多い。

 昨年はさらに楽しめるように、白いお皿をキャンバスに見立てた。集めた山菜で団子をつくり=写真(2)(3)、お皿の上にデコレーションして、春を表現してもらった=写真(4)。個性豊かな春の山菜スイーツプレートの出来上がり=写真(5)(6)。大人も子供も、飾り付けることにとてもわくわくした様子で、食べるのがもったいない、との声も上がっていた。

 季節の恩恵をこうむることは、自然に根ざした暮らしの中で生まれ、脈々と受け継がれてきた文化である。四季の移ろいのある地域ならではの文化でもある。子供たちがワークショップで感じてくれた楽しみが、大きくなっても春を愛(め)でる心となって、芽吹いて育ってくれることを願っている。

(筑豊の自然を楽しむ会=ちくぜんらく・成本(なるむし)麻衣子)


=2017/03/16付 西日本新聞朝刊(筑豊版)=

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ