ゲンジボタル 幼虫も光る、早春から光る

西日本新聞

 ホタルの光が見られるのは、まだ2カ月以上も先の初夏の季節だと思われがちですが、実はこの3月の春に入ったばかりの季節にもその光を見ることができるのです。ホタルが発光するのは成虫になってからではなく、実際にはまだ生まれる前の卵のときからその発光機能は備わっていて、一生を通して光ることができるようになっています。

 成虫の発光はオスとメスの出会いのコミュニケーションをとるため、とみられています。では、卵や幼虫やサナギが発光するのは何のためでしょうか。光って敵を驚かすとか、単に最初から備わっている機能が何かの刺激を受けて光るだけなのか、まだよく分かっていないのです。

 ゲンジボタルの幼虫は川の水底で生活していますが、成熟してサナギになるときには夜になって水中から陸上に上がってきます。このとき決まった条件があります。それは必ず雨が降っているか、少し前まで雨が降っていて、地面がまだ十分にぬれていることです。

 このゲンジボタルの幼虫が上陸する時期が、九州では3月から4月上旬なのです。この時期には水中ですっかり大きくなった幼虫たちが、水底から岸辺まで寄って来て、雨が降り始めるまで待っています。そしていよいよ雨が降り始めると、一斉に上陸を始めます。

 このとき、上陸と同時に発光を開始し、途中で異常がないかぎりずっと光り続けて行進します。ですから、3月に入って雨が降り続く晩があったら、毎年ホタルの光が見られる場所に出かけてみてください。暗い川岸のあちこちに、サナギになる場所を求めて歩いている幼虫たちが発する、その光を見ることができます。


=2017/03/21付 西日本新聞朝刊=

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