ブリ漁ルポ 水しぶき上がる巻き網漁 鰤~玄界灘の恵み(1)

西日本新聞

 博多の正月に欠かせない魚、ブリ。皆さんの家のお雑煮やおせち料理にも脂の乗った寒ブリが使われ、新年の食卓を飾っていませんか? ブリは北西太平洋を回遊しながら成長し、福岡都市圏に面した冬の玄界灘にたどり着きます。そこは私たちの食や暮らしを豊かにしてきた、豊穣(ほうじょう)の海です。

 冬の宗像沖70キロ、沖ノ島近海

 ブリが集まる海域は玄界灘の沖合70キロ、沖ノ島(宗像市)の近海だ。対馬海流のど真ん中を泳ぎ切るブリを追い、玄界灘沿岸の巻き網漁船が集まる。

 「ピィー」。午後6時半、真っ暗な海面に船頭が鳴らす笛の音が響いた。九州有数のブリの漁獲量を誇る宗像市鐘崎漁港の巻き網船団「共進丸」が、網入れを開始した。水中を青白く照らす灯船(ひぶね)がプランクトンを集め、それを目指して大小の魚が寄ってくる。網船の船頭は潮の流れと魚群の位置を計算しながら、灯船を囲むように長さ約700メートルにもなる網を入れていく。

 午後7時半、囲い込んだ網の引き揚げが始まる。狭まる網の中に、黒々と背を光らせた魚たちが見える。手繰る網と跳ねる魚、水しぶきがカメラのレンズを曇らせる。

 海面がびっしりと魚で埋まるまで網を引き寄せると、すぐに運搬船が横付けする。タモ網をずっしりとしならせているのは、銀の体に黄色い線を輝かせたブリ。大きさは4~8キロぐらい。ひときわ大きなブリが、甲板のいけすのふたをはね飛ばして暴れている。網を揚げ終わったのは午後8時半だった。船団長の宗岡譲さん(62)に漁果を尋ねると「6、7トン。まあまあかな」。1度の網で15トンほど揚がることもあるという。

 この夜は鐘崎のほか大島、小呂島の船団も見えた。漁は空が白む日の出の時刻まで続けられる。

 

 

 第2回「博多雑煮 アゴ、カツオナに負けぬ甘み」

=2017/01/01付 西日本新聞朝刊(ふくおか都市圏)=

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