今天中国~中国のいま(4) 財テクで偽装離婚も

西日本新聞

 先日、知人の中国人女性から電話がかかってきた。「マンションを買いませんか」。以前勤めていた旅行会社から不動産会社に転職したらしい。流ちょうな日本語で粘り強く勧められ、断るのにひと苦労した。

 中国では携帯電話や職場にセールスの電話が毎日何件もかかる。日本人だと言うと「ようこそ中国へ」と歓迎の意を示されることもあるが、ひたすらまくし立てるタイプが多い。経済が減速傾向とはいえ、投資目的の不動産熱は依然高い。

 時折、各地でブームとなるのが偽装離婚だ。各地方政府は、過熱気味な不動産市場を沈静化しようと住宅購入制限策を打ち出している。例えば、住宅購入が2軒目になるとローンを組む場合の頭金が引き上げられたり、税金が高くなったりする。離婚して別世帯となれば、新たに購入しても「1軒目扱い」となり、制限策の対象外になるというわけ。「購入後に復縁すればいい」というのが、不動産業者の殺し文句らしい。

 南京市では9月、新たな制限策が始まった初日、離婚申請数が3倍に増えたという。中国では「結婚は天が定めるもの」という考え方があるらしいが、手続き上の話だから離婚への抵抗感も薄いのだろう。離婚届を手に、仲むつまじく窓口を訪れる夫婦もいるとか。

 時には「裏切り」も起きる。中国紙によると、北京在住のある女性は夫から偽装離婚を持ちかけられて同意。ところが、夫には愛人がいて、住宅購入後も復縁を拒んだ。女性は元夫を訴えたものの、「真の離婚と偽装離婚は見分けられない」(判決)として敗訴した。財テクには、わなも潜む。
(北京・相本康一)

随時掲載


=2016/12/30付 西日本新聞朝刊=

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