今天中国~中国のいま(13) 土星旅行並み大移動

西日本新聞

 「最近は職場に人が少なくて、昼食時に慌てなくても食堂の席に座れます」。北京の政府系企業に勤める知人は言う。旧正月である春節(1月28日)を前に、休暇に入る人が増えているためだ。すでに帰省ラッシュは始まり、スーツケースを抱えた人が目立つ。

 春節前後の動きはすさまじい。今年の予測では、輸送客数は延べ29億7800万人、地球から太陽までの距離の8倍に当たる計12億キロを移動する。ある中国メディアは「計算上、土星に行って休暇を過ごしたのと同じ」と表現した。日本など海外への旅行客も多い。

 西暦も併用されている。春節ほどの祝賀ムードはないが、12月は年間の仕事を総括し、忘年会もある。「新年快楽(明けましておめでとう)」と年に2度あいさつできるのは不思議だ。

 市民にとって新年のお祝いに欠かせないのが爆竹と花火。けが人が出る事故が相次ぎ、北京市では1990年代以降、禁止された時期もあった。最近では、煙が大気汚染を悪化させるとの懸念が強い。河南省政府は14日、爆竹の販売・使用を全面的に禁じる通達を発表したが、業者らの猛反発を受け、3日後に撤回する「朝令暮改」騒動が起きた。年に1度の風物詩だけに、当局も頭が痛い。

 北京のオフィス街で屋台を営む20代の出稼ぎ夫婦は、子どもを故郷・河南省の両親に預けている。会えるのは年に1度、帰郷する春節の時だけ。「子どものために頑張るしかないです」

 大みそかの27日には、日本の紅白歌合戦に当たる長寿娯楽番組もテレビで放送される。久々の家族だんらんは、さぞやにぎやかだろう。 (北京・相本康一)

=2017/01/25付 西日本新聞朝刊=

PR

社会 アクセスランキング

PR

注目のテーマ