バンコク、アユタヤ 胃袋も ほほ笑むタイ

西日本新聞

 「ほほ笑みの国」と呼ばれるタイでは、胃袋も幸せになれる。安く食べられる屋台や食堂が至る所にあり、エキゾチックな高級レストランも数限りなく。外食文化が根付いたこの国の人たちは、味にもうるさく、おいしくない店はすぐ淘汰(とうた)されてしまうという。酸いも甘いも、辛いも苦いも、激しい競争の中で生き抜いている本場のタイの味を食べ歩いた。

 まず訪れたのが、首都バンコクの新名所となっているナイトマーケット「アジアティーク」。東京ドーム2・5個分の敷地には約1500のショップと約40のレストランがひしめく。イエロー、グリーン、レッドと色鮮やかなタイカレーを頼もうとしたところ、ガイドにタイ南部のマッサマンカレーを薦められた。

 ジャガイモと鶏肉を煮込んだ茶色いスープ状のカレーだった。タイのカレーは香辛料をふんだんに使うイメージがあったが、ココナツミルクが効いてほのかに甘く、こくは深い。ガイドも「アメリカのテレビが世界の美食ランキング1位に選び、今注目されているんだよ」と得意げ。納得のおいしさで、深くうなずいた。

 バンコクから北へ約80キロ、世界文化遺産の古都があるアユタヤでは、テナガエビ料理が名物とか。現地の人から紹介されたチャオプラヤ川沿いのレストランに入ると、香ばしく焼かれたテナガエビがドーンと大皿に盛られて出てきた。全長30センチほどで、まるで伊勢エビのような大きさ。ぷりぷりとした身と濃厚なエビのみそが合い、ビールが進む。年間平均気温は29度の熱帯地域なだけに、風が心地よく、船が行き来する川面を眺めながらの食事は風情もたっぷりだった。

 タイでは、スイーツも楽しむべし。バンコクに戻り、屋台が並ぶ夜道を歩いた。湯気が立ち上る麺料理や串焼きなどを売る露店に交じって、フルーツを販売する所も多い。60円ほどで一口サイズに切ったスイカを購入。町歩きで汗をかくため、気軽に水分とビタミンを補給できるのがうれしい。

 レストランでは、砂糖などで甘く炊かれたもち米にマンゴーを添え、ココナツミルクをかけた「カオニャオ・マムアン」を堪能した。タイ定番のお菓子で、ご飯とフルーツの組み合わせに初めこそ戸惑ったものの、ジューシーなマンゴーの果肉ともちもちした米粒の食感がくせになり、あっという間に平らげた。

 ネオン街もあちこちにあり、バーに入ってタイのビールを楽しんだ。麦芽の風味が引き締まったシンハービールや喉ごしを味わうチャーンビールなど日本でもおなじみの酒もあれば、初めて見るリオビールという銘柄も。試しに頼むと、苦味が少なくて飲みやすく、満腹なのに別腹で何杯もお代わりしてしまった。

 旅の最後の夜は小泉純一郎元首相が来店して有名になった海鮮料理店「ソンブーン」へ。看板メニューの「プーパッポンカリー」とトムヤムクンを注文。ぶつ切りのカニをカレーソースで炒め、ふんわり卵をからめた甘口のカリーと、ほのかな酸味や火照るような辛さが口の中に広がるトムヤムクンの相性は抜群で、ご飯が進んだ。一度食べれば、やみつきになるタイ料理。ごちそうさまでした。

 ●メモ

 福岡からバンコクへは、タイ国際航空などが直行便を運航。タイの年間平均気温は29度。季節は乾期(11~3月)、暑期(4~5月)、雨期(6~10月)の3シーズンに分かれる。通気性の良い服装がお勧めだが、王宮や一部寺院は、極端に肌を露出した服装では入場できないので注意が必要。

    ×      ×

 ●寄り道=人気のパワースポット

 バンコクの大型ショッピングセンターが集まるサヤーム・スクエア周辺には、「プラ・プロム」(エーラーワンの祠=ほこら)というパワースポットがある。ヒンズー教の神様ブラフマーを祭り、願い事は何でもかなうとされ、絶大な人気を誇る。周囲にはお供え用の花輪や線香、ろうそくを販売する露店も並ぶ。タイの伝統舞踊の奉納も頻繁に行われ、観光客も多く訪れる。


=2017/03/27 西日本新聞=

PR

くらし アクセスランキング

PR

注目のテーマ