愛する人をどう見送る ドキュメンタリーDVD「在宅看取りとグリーフケア」 笑顔が戻った一家の1年間

西日本新聞

 最愛の妻をがんで亡くした夫の姿を通して、みとりや愛する人を失った悲しみを癒やす「グリーフケア」について考えるドキュメンタリーDVD「在宅看取(みと)りとグリーフケア」(90分)が今月、発売された。全国で約70万人を動員しているドキュメンタリー映画「うまれる」(2010年)を製作した豪田トモさん(44)が監督。日本ではまだ浸透していないグリーフケアの必要性、愛する家族の見送り方などを伝える。

 豪田監督は「うまれる」で、4組の家族の妊娠、出産、育児を追った。14年公開の「うまれる ずっと、いっしょ。」では、妻をみとった初老の男性、重度障害児とその両親、子連れ再婚して新しい命を授かった夫婦という3組の家族の物語を紡いだ。2作品とも全国で自主上映が続く。

 今回のDVDは、「ずっと、いっしょ。」に登場した男性の在宅でのみとりとその後の1年間を約50分に再編集した。今賢蔵さん(撮影時65歳)は、42年間連れ添った順子さん(享年65)を自宅でみとる。亡くなる前日の家族の語らいに始まり、順子さんの死から1年が過ぎるまでの賢蔵さんや娘、孫たちの姿を丹念に記録している。ナレーションは女優の樹木希林さん。

 在宅医の山崎章郎(ふみお)さん(東京)による作品解説やグリーフケアに関するインタビュー(約25分)、豪田監督が取材を通して実感したグリーフケアのポイント(約15分)なども収録。山崎さんは「グリーフケアは大事だが、十分に取り組まれていない」と指摘し、作品で今さんが心からの笑顔を浮かべるまでの過程を「グリーフケアの教科書的なプロセス」と評価する。

 豪田監督は「医療や介護の専門職に、在宅ケアやグリーフケアをリアリティーのある形で知ってほしい。家族との別れに直面している人たちにも、見送る一つの形として見てもらいたい」と話す。DVDは2万9800円(税、送料込み)。問い合わせはインディゴ・フィルムズ=info@umareru.jp=へ。


=2017/03/30付 西日本新聞朝刊=

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