森へおいでよ 筑豊の自然再発見<29>春のキノコ 見つけたらラッキー

西日本新聞

 次第に暖かくなり、草木は芽吹き、むしたちがうごめき始めている。

 キノコの仲間はどうかというと、それが期待に反して春はあまり出ないのである。

 3月初めごろに森を散策してみた。目につくものは、ほぼ通年で見られる堅い木質や革質(かくしつ)のキノコばかりである。その代表がカワラタケで、表側は黒色、裏側は真っ白な特徴から「オセロのキノコ」として子供たちの間では人気が高い=写真(1)(2)。食用にはならないが、菌糸体からは抗がん成分が見つかっている。

 次に見つけたのがキクラゲである。昨年の秋ごろのものと思われるが、乾燥状態でそのまま残っていた=写真(3)。キクラゲは乾燥に強く、降雨などで水分を吸収すると元のゼラチン状に戻ることができる。とても状態が良かったので収穫して自宅に持ち帰った。水で戻すと2倍くらいの大きさになったので、それをゆでて短冊状に切ったものを定番のラーメンの具にしてみた=写真(4)。シャキシャキを通り越しコリコリとした食感でとてもうまい。これはもう主役級である。キクラゲは森の枯れ木で比較的簡単に見つけられるので、野生の食感をぜひ味わってほしい。

 今回はそれ以外のめぼしいキノコは見つからなかったが、春のキノコとして代表的なものにアミガサタケがある=写真(5)。見た目はグロテスクであるが、実は食用キノコでヨーロッパでは特に人気の高いキノコだそうである。さて、これをゆでてみると、まるでホルモンのハチノス(ウシの第二胃)のようである=写真(6)。これに小ネギをふってポン酢をつけて食べると、歯応えもよく、けっこう美味であった。ただし、このキノコは生食が厳禁で、必ずゆでこぼすなど加熱が必要である。また、同時に飲酒をしてもいけない。ちなみに、よく似たシャグマアミガサタケは猛毒で、面倒な毒抜きをしないと食べられないため、お薦めしない。

 春の森は大変気持ちが良い。暖かい日差しに鳥の声、新芽の優しい色合いの中をチョウが舞う。そして、運良くキノコに出合えたなら、さらに気持ちがよくなることであろう。

【筑豊の自然を楽しむ会(ちくぜんらく)・弓削田和広(ゆげちゃん)】


=2017/04/06付 西日本新聞朝刊(筑豊版)=

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ