ハワイ島(米国) 虹の楽園、見守る大王

西日本新聞

 いざ楽園の島、米国ハワイへ。州都があるオアフ島から飛行機で約40分、やって来たのはハワイ諸島で最も大きく「ビッグ・アイランド」の愛称を持つハワイ島。島東部のヒロ国際空港からタクシーに乗ると、中年の男性運転手が「アロ~ハ」と出迎えてくれた。

 ヒロはハワイ州でホノルルに次いで人口が多い都市だが、熱帯の木々の緑が広がって騒々しさは全く感じさせない。雨の街とも呼ばれ、訪れた日も曇天だった。

 雨上がりの朝、泊まったホテルの近くを歩いていると、ヒロ湾を挟んだ反対側の陸地に鮮やかな虹を発見。心なしか日本よりはっきり見える。近くの公園でたたずんでいたのは、金色の衣装を着たカメハメハ大王像。オアフ島やハワイ島のカパアウにもあるが、ヒロの像が最も新しく1997年に建てられた。1810年にハワイ諸島を統一して王国を築いた大王の足跡が説明板には書いてある。

 車に乗せてもらい、次に向かったのは島西部のコナ地域。ハワイ島の東西を結ぶ高速道路は、日系人初の上院議員で父親が福岡県八女地方出身の故ダニエル・イノウエ氏にちなんで、「ダニエル・イノウエ・ハイウエー」と名付けられている。

 右手に島最高峰のマウナケア、左手にマウナロアという標高4千メートル級の山々が遠くに見えた。「マウナケアはハワイの言葉で白い山という意味。山頂には雪が積もります」と運転手。ハワイに雪というイメージを持っていなかったので驚いた。海まで見渡せる大パノラマは壮観のひと言。道路脇には岩石が転がり、キラウエア火山の活動により島では今も溶岩が流れ出ていることを聞けば、自然の荒々しさは計り知れない。

 約2時間半かけて到着したコナ地域の中心都市カイルア・コナはヒロと違って快晴で、多くの観光客でにぎわっていた。青く透き通った海とこぢんまりとした白い砂浜に、南国らしさを感じる。

 カメハメハ大王が晩年を過ごした土地でもあり、大王が再建した神殿跡「アフエナ・ヘイアウ」や王族の夏の離宮で現在は博物館の「フリヘエ宮殿」といった歴史的建造物がある。街を歩けばパイナップルやパパイアなどの新鮮な果物を扱ったマーケットやカフェなどがコンパクトにまとまって並んでいるため、ぶらぶらと楽しむことができる。土産を買おうと店に入り、日本でも有名なコナコーヒーを購入した。

 夕食はガイド本で見つけた映画「フォレスト・ガンプ」をテーマにした海辺のシーフードレストランへ。たいまつの明かりがともる席で波の音を聞きながら、エビ料理を味わい、青色のカクテルのグラスを傾けた。

 心残りは、マウナケア山頂からの満天の星空を見られなかったこと。次回に取っておこうと自分に言い聞かせ、コナ国際空港から飛び立った。

 ●メモ

 ハワイは太平洋に位置する米国50番目の州。ハワイ、マウイ、オアフ、カウアイ、ラナイなど主要8島と無数の小島からなる。州都はオアフ島のホノルル市で、デルタ航空が福岡から直行便を運航している。飛行時間は約8時間。ハワイ島へは、ホノルルからヒロかコナ行きの国内線に乗り換える。昨年12月にはハワイアン航空が東京・羽田‐コナ線に就航。

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 ●寄り道=移民の功績たたえて

 ヒロの海沿いに約12万平方メートルの日本庭園がある。ハワイ王国最後の女王の名にちなんで名付けられた「リリウオカラニ植物園」。サトウキビ畑で働いていた日本からの移民の功績をたたえ1917年に開園した。

 敷地内には茶室や鳥居、石灯籠があり、ハワイにいながら日本の静かな美を堪能できる。園内で「福岡県知事亀井光」と刻まれた五重塔を見つけた。日本移民100年を記念し、68年に寄贈されたものとみられる。福岡県とハワイ州は81年に姉妹提携を結んでいて、ハワイ島には二つの県人会があり、つながりは深い。


=2017/04/10 西日本新聞=

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