<1>胸全摘、涙ぼろぼろ 私も女だったのね

西日本新聞

 はじめまして。本日からコラムを書かせていただくことになりました。46歳ですが、左胸は再建中のため“新品”です。ここでは、乳がんと乳房再建の話を中心に、感じたままに書いていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。

 まずは自己紹介も兼ねて「私も女だったのね」というお話から。

 私の乳がんは昨年夏の検診をきっかけに見つかりました。しこりもない0期(非浸潤がん)の段階でほっとしていたのですが、手術直前の検査で乳管内をはうように広がっていることが発覚。「0期なのに全摘」という、にわかには信じがたい状況に陥ったのです。

 思えば、ずっと髪を振り乱して生きてきました。バブル時代も前髪は立ってなかったし、巻き髪とも縁がない。胸の形なんて気にしたこともないし、キュートなブラジャーにも興味がなかった。ついでに言ってしまえば元警察官。だから、告知された時も自分にこう言い聞かせようとしました。「たかが胸じゃないか」と。

 ところがです。それがどうにもうまくいかない。「胸がなくなる」と思うと目がうるうる。テレビの下着コマーシャルを見ては涙がじわじわ。気が付くとスナックで涙をボロボロこぼしながら、中森明菜の曲を歌っているではありませんか。

 自分が自分で収拾がつかず困り果てていると、高校時代の友人から救いの一言。「そりゃそうだよ。だって女だもん」

 まだあった自前の左胸にもストンと落ちました。髪を振り乱していても、下着が地味でも根っこは女。「たかが胸」じゃなく「されど胸」でいいのだと。自分の気持ちに素直に向き合えるようになった瞬間でもありました。

<続き>しこりはなく、「ほっ」と 数週間後に要精密検査

(四十物恵妙=西日本新聞契約ライター)

 2017/04/17付 西日本新聞朝刊

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