「無添加」って何 明確な表示基準なく 漠然と安全安心イメージ 踊らされてない?

西日本新聞

 食品や化粧品、さらにはペットフードまで「無添加」を売りにした商品があふれている。「何だか体に良さそう」と漠然と考えがちだが、本当に安心安全の印なのだろうか。

 そもそも「無添加」とは何か。「添加物を一切加えていない」という意味ではない。実は、法律上はっきりした決まりはなく「無添加」と書かれていても、何らかの添加物を使っている商品は珍しくない。

 食品添加物は食品の加工や味、見栄え、保存性を良くする目的で使われる。使用できる物質は食品衛生法で定められ、厚生労働省が安全と判断した454品目の指定添加物をはじめ、1500品目余りがある。

 この法律は添加物の使用量や表示方法もルール化していて、容器入りの加工
食品は使った全ての添加物を「原材料名」に表示しなければならない。量の多い順に並べる決まりで、分かりやすいよう複数の物質を「乳化剤」「調味料」などとまとめて記すこともある。食品に微量しか残っていない場合などは表示しなくてよい。

 一方で「無添加」は法律で表示方法が定められていないため、添加物を一切加えていない商品もあれば、「○○無添加」とした上でその他の添加物を使っている商品もある。

 「安心」イメージで消費者の心をつかもうと、もともと不必要な添加物をあえて「無添加」と表示するケースもある。「例えば、だしに使うカツオや昆布などは保存料は必要ないが『保存料無添加』とアピールした方が売れるのです」。食品ジャーナリストの安部司さん(65)=北九州市=は、保存効果を高める別の添加物に置き換えて「保存料無添加」とうたう事例も散見されると指摘する。

 こうした表示に踊らされないためには、どうすればいいのだろう。安部さんは「家庭の台所にない物は添加物だと思っていい。でも添加物をひとくくりに悪者と考え『無添加』は安心と妄信するのも間違った安全志向。どの添加物が何の目的で使われているかや、何が無添加なのかを、消費者自身が原材料名を見て確認し、判断することが何より大切です」と話している。

 ●無添加の意味 「知らない」 71%

 北九州市の「シャボン玉石けん」が3月に実施した「無添加のせっけん・洗剤」に関する意識調査では、「無添加」とは何を意味するかを知らない人が7割を超えていた。

 調査はインターネットで行い、20~60代の女性324人が回答した。「無添加」のせっけんや洗剤のイメージを聞いたところ「安全・安心」が69%で最も多く、「添加物が何も入っていない」と誤解している人が63%に上った(複数回答)。「無添加」と表示された商品でも、合成香料や合成着色料などが使用されている場合があることは、71%が「知らない」と答えた。

 せっけんや化粧品、医薬品なども「無添加」の表示に明確な定義はない。ただ食品と異なり、医薬品医療機器法(旧薬事法)などにより「無添加という表示で安全性や効果を誇大に表現しないよう規制している」(厚生労働省監視指導・麻薬対策課)。

 同社は合成添加物を使わないせっけんや洗剤を製造しており「無添加という表示だけでなく、主成分は何かや、自分に合わない成分が使われていないかも確かめて選んで」と呼びかけている。


=2017/05/12付 西日本新聞朝刊=

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