子どもの留守番 簡潔ルールで 施錠の大切さを教えながら 「お試し」30分からスタート

西日本新聞

 進級や入学で4月から留守番を始めた子どももいるだろう。子どもを家に一人にするのは心配でも、残業や急用でやむを得ないこともある。防犯上、どんなことに気を付ければいいのだろうか。

 小学3年の長女(8)を月に1回、2時間ほど留守番させている福岡市南区の母親(47)は「住んでいるマンションは住民の付き合いがなく、不審者がいても気付かないだろう。犯罪に巻き込まれないか心配」と話す。長女には「玄関のチャイムが鳴っても反応しない」と念押ししている。

 「親子で留守番のルールを決めてください。複雑だと子どもが覚えられないので、簡潔なものがいい」と助言するのは警備大手セコムのIS研究所(東京)で、子どもの防犯を研究する主務研究員、舟生(ふにゅう)岳夫さん(48)。舟生さんは「子どもの安全ブログ」で留守番の注意点についても発信している。

 舟生さんにルールの一例を紹介してもらった。基本は、誰が訪ねて来てもドアを開けないこと。「宅配は受け取って」など例外をつくると子どもが判断に迷ってしまう。電気業者を装ったり「緊急」と言ったりして、巧妙に開けさせる手口があることも、だまされないように教えておこう。

 子どもが帰宅して玄関から入るときは、押し入りを防ぐため、周囲に不審者がいないかどうか確認し、素早く鍵を開ける。「ただいま」と大きな声で言うと、中に誰かいるのでは、と思わせることができる。ドアはすぐに施錠する習慣を付けることも大事だ。

 鍵の持ち歩き方にも配慮がいる。ひもを通した鍵を首に掛けたり、ランドセルにぶら下げたりしている子どももいるが、防犯と紛失の両面から危険という。子どもにはまず、鍵の大切さを理解させ、(1)鍵をつないだひもを、ズボンのベルトひもなどにつなぎ、鍵はポケットに入れる(2)ランドセルの内ポケットにしまう-などの方法を勧める。鍵を取り出し、鍵を開け、中に入ったら施錠する一連の動作を練習しておこう。

 何度もインターホンが鳴ったり、けがをしたりするなど不測の事態が起こったら、すぐに親など保護者に電話する。保護者はいつでも応じられるように気を配りたい。万が一、つながらないときに備えて、祖父母や親戚などの連絡先リストを優先順位付きで用意し、見えるところに張っておく。保護者も定期的に連絡を入れ、状況を確認する。子どもが遊びに出掛ける場合、行っていい場所を具体的に決めて行動範囲を限定しておこう。

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 留守番中の危険を減らすため、室内の環境を整えておくことも必要だ。福岡県警本部の安全安心まちづくり推進室長の池上達哉さん(45)は「風呂場などの小さい窓や高い所の窓も鍵をかけておいて」と施錠の重要性を訴える。

 同県警によると、住宅に侵入する窃盗事件の約6割は無施錠のドアや窓から。「居空き」といって家人が在宅中のケースもあり、強盗事件などにつながる恐れもある。子どもしかいなければ、なおさら心配だ。夏になっても窓を開けなくていいように、エアコンの使い方を教えておこう。

 火気の管理にも細心の注意を。ライターやマッチは手が届く所には置かない。舟生さんは「火災になっても、子どもは自分で何とかしようと思いがち」「消火より逃げるという命を守る行動が最優先だと教えて」と強調する。

 舟生さんによると、留守番は30分間ぐらいからスタートし、徐々に時間を伸ばしていくのがよいという。成長に合わせてルールを見直すことも必要だ。


=2017/05/23付 西日本新聞朝刊=

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