子どもに薬を飲ませる 服薬ゼリーを手作りしてみよう

西日本新聞

 ●子どもに薬を飲ませる

 5歳の子どもは、粉薬を飲むのが苦手です。特に抗生物質の苦い粉薬を嫌がります。市販の服薬ゼリーを使って対応していますが、スムーズに飲ませる方法はありますか。

 ●服薬ゼリーを手作りしてみよう

 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。小児科を受診した子ども向けの処方が多いという八幡西調剤薬局(北九州市)の薬剤師、木室奈美さん(35)に聞きました。

 子どもの薬は、シロップで出してもらえる場合もあるが、抗生物質はほとんどの製薬会社が粉薬で販売している。例えば中耳炎や副鼻腔(びくう)炎などの症状に処方されることが多い「マクロライド系」と呼ばれる抗生物質は、特に苦みが強い。

 木室さんによると、子どもが薬を飲みたがらない原因は(1)薬を飲むこと自体を嫌がる(2)見た目の色や、味、食感が苦手-の二つが考えられるそうだ。

 子どもの年齢や、薬の種類によってもさまざまだが、(1)では薬を飲ませる人を母親から父親に変えたり、飲ませる場所をいつもと違う場所にしてみたりするなど、環境を少し変えることで、思いがけず飲んでくれる場合があるという。

 (2)の場合は、服薬ゼリーなどを使って飲ませる方法がある。4歳と1歳の娘がいる木室さんは、長女の薬嫌いを手作りの服薬ゼリーで克服したそうだ。

 作り方は簡単。くず粉小さじ2分の1、オリゴ糖大さじ1、水大さじ3を小鍋に入れ、煮立ててとろみがついたら完成。いちごジャム適量を加えてもよい。これで1~2回分の服薬に使える。固まらないように、へらなどで混ぜ続けるのがこつだ。くず粉は片栗粉でも代用できる。

 木室さんにゼリーを作ってもらい、苦みの強いマクロライド系抗生物質「クラリスロマイシン」を混ぜて飲んでみた。

 冷ました服薬ゼリーを紙コップなどに入れ、粉薬を加える。薬をゼリーで包み込むようにしながらスプーンで飲ませるのが望ましいが、多少かき混ぜても苦みはほとんど気にならなかった。木室さんは、長女に「魔法のお薬を作ろう」と呼び掛け、一緒に作ることで、楽しみながら飲んでくれたという。

 牛乳やお茶、ココアなどに混ぜて飲むと飲みやすくなる場合もある。ただマクロライド系の場合、果汁やヨーグルト、スポーツドリンクなどと一緒に飲むと、酸性の成分が、薬にコーティングされた甘みを剥がしてしまい、逆に苦みが強くなることもあるそうだ。「何を混ぜればいいか、必ず薬剤師に相談してください」と木室さんはアドバイスする。

 忙しい食事時に「服薬」という作業が加わるだけでも大変なのに、子どもが薬をなかなか飲まないことは、親にとって大きなストレスだ。木室さんは、そんな人のために、選択肢を増やす工夫をしている。

 例えば、医師から「食後に服用」と指示があっても、薬の種類によっては食前に飲んでも差し支えない場合がある。また薬を、効用が変わらない別のものにすることで、飲めるようになるケースもある。木室さんは「AがだめならBでも良いと伝えることで、親御さんの心の負担はずいぶん軽くなります。どんな小さなことでも、ぜひ相談してください」と話す。

 最後に大事なポイントも。「飲めたときは、しっかり褒めてあげる。これも、大いに効き目があります」

 お助けいただき、ありがとうございました。


=2017/05/31付 西日本新聞朝刊=

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