今天中国~中国のいま(40) 大学生の夢もう一度

西日本新聞

 中国では今月、「高考」と呼ばれる大学統一入学試験があり、計940万人が受験した。日本の大学入試センター試験と似ているが、中国は大学別の2次試験はなく高考の点数によって即、合否が決まる。

 「一発勝負」に臨む受験生に配慮し、期間中の7~8日、バーやカフェなどは一定音量以上の音楽を流すことを禁じられたほか、試験会場近くの建設工事現場は作業を中止。交通当局は、受験生を運ぶバスが交通違反を犯した場合も、注意だけで済ませるよう通知を出した。

 「高考は最も重要な人材選抜制度」(中国メディア)と呼ばれる。就職を左右するだけに、中国の「学歴信仰」は根強い。

 実在する大学に名称を似せた「偽大学」が、受験生から学費をだまし取る詐欺も横行している。民間機関の調査では、2013年以降で431校を確認。教室を設けて実際に授業を行い、偽の“卒業証明書”を発行したケースもある。

 偽大学と指摘された北京の所在地を記者が訪ねたら、20階建てのオフィスビルだった。出入りする人たちに聞いてみたが、「こんなところに大学があるわけないでしょ」と笑われた。

 河南省では昨年春、「成り済まし入学」事件も発覚した。他人の合格証明書類を不正に入手した女性が、他人の名前で4年間短大に通い、教師になっていた。

 被害女性は合格を知らずに進学を断念、出稼ぎに行った。現在34歳。報道によると、大学受験に再挑戦するという。「合格するまで毎年受験します。小学2年生の娘が大きくなったら、一緒に受験したい」。一度諦めた夢をつかめるだろうか。 (北京・相本康一)

 =随時掲載

=2017/06/17付 西日本新聞朝刊=

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