肉も食べるクロスズメバチ 地中に巣、実はおとなしい性格

西日本新聞

 スズメバチといえば、数多い昆虫の中でも一番恐れられているハチですが、クロスズメバチはスズメバチの仲間ではあっても、体の大きさも小さく(ミツバチの約2倍)、性格もおとなしいので、それほど怖いハチではありません。

 それでも、うっかり捕まえたり巣の入り口を荒らしたりすると、当然怒って襲ってきて、刺すことに変わりはありません。巣は主にこの写真のように地中に作られています。

 花の蜜を吸うこともありますが、どちらかといえば肉食性で、他の昆虫を襲って、その場で解体して肉を持ち帰り、幼虫たちの餌にしています。野原で弁当などを食べていると、このハチが飛んできて、ハムやソーセージをかじっているのを見たことがある人もいるでしょう。

 クロスズメバチは古くから人間の生活と関わりを持っています。

 長野県を中心とした地方の人々は今でもこのハチのことを「ヘボ」あるいは「スガレ」などという愛称で呼び、巣を探しては幼虫を捕って、食料としているのです。巣が最も大きくなる季節の秋になると、大の大人たちがその巣を探し求めて一喜一憂するといいます。

 獲物を探しているハチの前に、肉片に柔らかい綿のようなものをくくり付けておくと、それを見つけたハチが肉に付いているじゃまな綿を外そうとするものの、取れないと分かると、そのままくわえて飛んでいきます。

 空中を飛んでいくその白い綿の目印を追いかけていって巣を見つけ出そうというのですが、林を抜け、谷を越えていきます。ですから、簡単に見つかることもあれば、なかなか見つからないこともあります。そういった作業が人々を夢中にさせる原因ともなっているのです。


=2017/06/20付 西日本新聞朝刊=

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