「ここで生きるネット」発 熊本伴・クリエーター

西日本新聞

◆地域イベント指南 まちおこしの素材、必ず見つかる

 まちおこしのためユニークな地域イベントを企画しようにも、「うちには人を呼べる特産品もなければ、観光資源もない」と、はなから諦めている地域はないだろうか。まちおこしにつながる素材はどの地域でも必ず見つかるはずだ。

 例えば、私が会長を務めている飯塚伝説ホルモン促進会(福岡県飯塚市)が考案した「ほるホル丼」。ホルモン料理は全国どこにでもあるが、旧産炭地としての地元の歴史を加味することで、ホルモンを石炭のようにご飯の中に埋め込んだご当地グルメが生まれた。さまざまな角度から地域を見直す姿勢が大切だろう。

 筑豊地区で数々のイベントや企画を手掛けている。独身男女に地域の観光PRビデオ作成など約1カ月に及ぶ“地域貢献任務”を課して出会いの場を提供する「団結婚活」、65歳以上のダンス大会「介護なき讃会(たたかい)」…。おもしろいと思うことをやってきただけで、まちおこしの役に立ったとは思っていない。ただ、活動の結果として、人口減や高齢化に悩む地域が少しでも元気になればいい。介護なき讃会もそうだが高齢世代の力を借りるイベントがもっと各地に広がれば、高齢者の生きる張り合いとなり、健康寿命の延伸にもつながるのではないか。

 地域イベントに携わる際、気を付けたいのがプロセスだけで満足しないこと。これは行政にもありがちなのだが、企画立案の過程で満ち足りた気分になり、結果がおろそかになっては意味がない。

 企画に関わっていると、その企画が実際よりも広く世間に知られていると勘違いしやすくなる。客観的な目線を保ち、PRは徹底的に行うべきだ。ホルモン促進会の会長になった際、40代の地元女性2人の“熟女ユニット”をつくり飯塚ホルモンをPRしたいと提案した。かめばかむほど味がでるホルモンに熟女のイメージが重なったからだ。当初は仲間からも反対されたが、「ホルモン食べてフェロモンアップ」と2人が歌うPRソングやポスターが評判となり、多くのマスコミに紹介された。企画に正解はないし成功する保証もないが、やるからには腹をくくって突き進むしかない。

 昨年、「あいくるしか」「なつかしか」など博多弁と鹿を組み合わせた福岡県の非公認キャラクター「博多のしか」を考案した。着ぐるみを作り、各地のイベントで売り出し中だ。知名度が上がってくれれば、イベントの集客に一役買ってくれると期待している。目標は高く、準備は周到に。そんなイベントが地域を照らしてくれるに違いない。 (談)

 熊本 伴氏(くまもと・ともな) 1969年生まれ、福岡県嘉麻市在住。99年から旧嘉穂町議(後に嘉麻市議)を2期。2014年に設立した企画事務所「伴画郎」(同県飯塚市)を拠点に、企画プロデュース業務に当たる。


=2017/06/23付 西日本新聞朝刊=

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